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バリウム検査後にお酒(アルコール)を飲むとセメントのように固まる?飲める時間の目安は?

バリウム検査は、胃や食道、十二指腸に異常がないかを調べる検査で、空腹状態でバリウムを飲み、レントゲンを撮ります。

消化器官の健康状態を確認する重要な検査ですが、検査後のケアを怠ると体に負担がかかる可能性があります。

一部では「検査後にお酒を飲むとセメントのように固まる」という話も耳にしますが、実際にどのような影響があるのでしょうか?

そこで本記事では、バリウム検査後に飲酒した場合の体への影響や、バリウムの排出を早める方法、検査後の食事のポイントなどについて解説します。

適切なケアを知り、体に負担をかけないよう心がけましょう。

1.バリウム検査後にお酒(アルコール)を飲むとセメントのように固まる?

そもそもバリウムは、お酒を飲まなくても、水分不足であれば、徐々に固まります。

バリウムが固まらないよう、多めに水分を摂取し、便として排出が終わるまでお酒を飲まないよう医師から指示が出るのが一般的です。

もし、お酒を飲んだ場合、アルコールの影響でバリウムが固まりやすくなり、便が出にくくなる可能性があるといわれています。

個人差はありますが、場合によってはまれに救急対応が必要になるケースも報告されているため、検査後すぐの飲酒は控えたほうが安全です。

また、検査終了後はバリウムを早く排出するための下剤が処方されるケースがあります。

処方された場合は、できるだけ早めの服用が推奨されており、便が白色から通常の色に戻るまでは、飲酒を控えたほうが良いとされています。

2.バリウム検査後にお酒(アルコール)を飲む時間の目安は?

バリウム検査後の飲酒は翌日まで控えたほうが良いとされています(厳密には、便の色が通常の色に戻るまで)。

バリウム検査終了後は水分を多めに摂り、30分程度時間を空けて下剤を飲むよう指示される場合が多いでしょう。

下剤は通常4〜12時間ほどで効果が出るとされ、完全にバリウムを排出できるのは翌日とされています。

バリウム検査後は水分摂取を勧められるため、アルコールでも良いのでは?と考えるかもしれません。

しかし、アルコールはバリウムが固まるスピードを早めるため、腸内に大きな負担をかける可能性があります。

また、お腹に力を入れて無理に押し出す行為は、腸内を傷つけ新たな病気や痔などの症状を引き起こす可能性が高いです。

そのためバリウムが完全に排出されるまでは、お酒を控えましょう。加えて、バリウム検査後に、飲み会などの予定をうっかり入れないように注意しましょう。

3.バリウムの排出を早める方法

バリウムが長く体内にとどまると腸壁を傷つける可能性があり、腸閉塞を引き起こす恐れがあるとされています。

バリウム検査後は、体内に残ったバリウムを早く排出することが重要です。

そこで本章では、バリウムの排出を早める方法について2つ紹介します。

水分を多く摂取する

バリウムには凝固作用があるため、検査直後はコップ1〜2杯の水分を摂ることが推奨されています。また、検査当日は1日かけて1.5〜2リットルの水分補給をすすめられることが多いです。

早めの排出が重要であり、水分摂取量が少ないと体内の水分が不足し便が固くなります。

なお、排出を早める目的で、検査前から大量の水分を摂ることは、検査精度が落ちる原因となるため禁止されている場合が多いです。

検査の2〜3時間前から水分摂取が禁止されている場合が多いため、水分摂取について説明がない場合は、検査機関の指示を仰ぎましょう。

下剤を使用する

バリウム検査後は、排出を促すために下剤が処方されます。

下剤の種類は病院や検査機関によって異なり、検査直後に下剤入りの水(水薬)を服用する場合や、数十分から数時間空けてから錠剤を服用する場合があります。

下剤の種類や体質により下剤の効果は個人差があります。一般的に服用後4〜12時間程度で白いバリウム便が出るとされています。

バリウムが長時間体内に残ると排便されにくくなるため、検査後は適切なケアを行いましょう。

4.バリウム検査後の食事のポイント

バリウム検査後は、スムーズな排出を促すため、食事内容に配慮する必要があります。

消化を助け、消化器官の働きを促進する食品選びが重要です。また、排出を阻害しないために、控えたほうが良いとされる食品もあります。

そこで本章では、バリウム検査後に適した食事や、控えたほうが良いとされる食品について紹介します。

水溶性の食物繊維が多い食事を摂る

便の排出を促すためには、水溶性の食物繊維を多く取り入れた食事がおすすめです。

水溶性の食物繊維は水に溶けてゼリー状になるため、バリウムの排出を促し、腸内環境を整える効果が期待されています。

水溶性の食物繊維を多く含む食品は以下のとおりです。

  • 納豆
  • 野菜(モロヘイヤ、ごぼう、オクラ、ブロッコリーなど)
  • 芋(こんにゃく芋、里芋など)
  • 海藻(昆布、わかめ、めかぶなど)
  • 果物(ゆず、きんかん、いちじく、プルーン、キウイなど)

水溶性の食物繊維は、水分を吸収しバリウムの凝固をゆるやかにします。積極的に水溶性の食物繊維を取り入れて、体への負担を軽減しましょう。

アルコール類やコーヒーなどはバリウムが排出されるまで我慢

バリウム検査後はアルコールやコーヒーなどの刺激物は控えましょう。アルコールやコーヒーには利尿作用があり、体内の水分を排出させる働きがあります。

体内の水分が減ると、バリウムが固まるスピードが早まる恐れがあります。

通常の便を作るための水分まで奪われる可能性があるため、アルコールやコーヒーの摂取は、バリウムの排出が確認できるまで我慢したほうが良いでしょう。

2〜3日経ってもバリウムが排出されない場合や、腹部に違和感がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

もし、バリウム検査後にうっかりコーヒーを飲んでしまっても大きな問題はありません。

直ちに重大な問題につながるとは限りませんので、水分を多めにとり、便の様子や体調の変化を確認しましょう。

5.バリウム検査前の食事の注意点

バリウム検査を正確に行うためには、検査前の食事に注意する必要があります。

食べたものや時間帯によっては、検査が中止または延期になる場合があるため、事前に指示された内容に従い、適切な準備を行いましょう。

本章では、バリウム検査前に知っておきたい食事の注意点について詳しく解説します。

検査前の食事は前日の22時までに済ませる

バリウム検査前日は、一般的に22時までに食事を済ませるように指示されるケースが多いです。22時以降から検査終了までは少量の水の摂取を除き、飲食は不可です。

仮に、22時以降に食事をした場合、胃や腸に食べ物が残りやすく、異常箇所との判別ができない可能性があります。

検査精度が落ちるおそれや、検査自体が延期になる可能性があるため、前日の飲食の時間に注意し、消化の良い食事を心がけましょう。

前日からアルコールを控える

バリウム検査後のアルコール摂取は控えたほうが良いとされていますが、検査前も同様です。

前日にアルコール摂取した場合、胃粘液が増え、バリウムが胃の壁につきにくくなり、正確なレントゲン撮影ができない可能性があります。

また、アルコールの場合は、時間帯にかかわらず禁酒したほうが良いとされるため、前日にうっかりアルコールを飲まないように注意しましょう。

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検査直前に食事をしてしまった場合は後日になる

バリウム検査では、前日22時から検査までは絶食が基本です。

検査当日の朝に誤って食事した場合、正確な診断が困難になるため検査日が延期されます。

また、タバコ、アメ、ガムなども胃を刺激し、正確な検査結果を得ることを難しくするため、摂取が禁止されています。

万が一、食事をしたりタバコを吸ってしまった場合は、速やかに医療機関に連絡し、対応を相談しましょう。

6.【Q&A】バリウム検査に関するよくある質問

バリウム検査 Q&A

バリウム検査に関して、スムーズなバリウム排出と体調管理のためにいくつかの注意点があります。

ここでは、飲酒以外の具体的な注意点や、万が一の体調不良時の対処法についてのよくある質問に回答します。

下剤を飲んでもバリウムが出ない場合の対処法は?

下剤を飲んでもバリウムがスムーズに出ない場合は、いくつかの対処法がありますので落ち着いて対処しましょう。

重要なのは、水分を普段よりも多く摂取することです。

バリウムは水分を吸収して固まる性質があるため、水分不足だと排出が滞りやすくなります。

水やお茶などをコップ1〜2杯程度をこまめに飲むよう心がけましょう。

また、食物繊維の多い食事、特に水溶性食物繊維(海藻類、こんにゃく、果物など)は、便を柔らかくし排便を促す効果が期待できます。

それでも排出が見られない、または腹痛や吐き気などの症状がある場合は、我慢せずに速やかに検査を受けた医療機関に連絡してください。

自己判断で市販の便秘薬を使用したり、無理に排便しようとしたりすることは避けましょう。

腹痛や発熱などの症状が出た場合どうしたらいい?

バリウム検査後に腹痛、発熱、吐き気、嘔吐などの症状が出た場合、単なる下剤の作用ではない可能性があります。

特に、激しい腹痛が続く、発熱がある、便秘がひどくお腹が張る、バリウム便がまったく出ないといった症状は、腸閉塞など重篤な合併症の兆候の可能性があります。

これらの症状が出た場合は、すぐに検査を受けた医療機関に連絡し、指示を仰いでください。

夜間や休日の場合は、救急外来の受診が必要になることもありますので、症状を詳しく伝え、検査を受けた日時、下剤の服用状況なども正確に伝えるようにしましょう。

バリウム検査後の喫煙・運動・入浴など注意点はある?

バリウム検査後の飲酒ほどではないものの、喫煙、過度な運動、入浴(長時間の入浴や熱い風呂)も、バリウムの排出を阻害したり、体調に影響を与えたりする可能性があります。

それぞれ確認していきましょう。

【喫煙】

喫煙は胃腸の動きを活発にすることがありますが、同時に血管を収縮させ、血行を悪くする可能性もあります。

バリウム排出中は、体に負担をかけないことが重要です。可能な限り控えるのが望ましいでしょう。

【過度な運動】

激しい運動は、体内の水分を消費し、脱水状態を招きやすくなります。

脱水はバリウムが固まる原因となるため、検査当日は激しい運動は避け、安静に過ごすことをおすすめします。

【入浴】

シャワー程度であれば問題ありませんが、長時間の入浴や熱すぎる風呂は、体力を消耗させたり、血行が急激に変化することで体調を崩したりする可能性があります。

バリウム排出が完了するまでは、軽めの入浴に留めるか、シャワーで済ませるのが安心です。

7.まとめ|バリウム検査後は排出が完了するまでアルコールは我慢

本記事では、バリウム検査後にアルコールを飲んだ場合の影響や、バリウムの排出を早める方法、検査前後の食事のポイントなどについて解説しました。

バリウムは凝固する性質を持つため、検査後は水分を多く摂り、処方された下剤を適切に服用することが大切です。

また、検査後すぐの飲酒は、アルコールによりバリウムが固まるスピードが早まります。腸内でバリウムが固まると、排出が困難になり腸閉塞を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。

バリウムが完全に排出されるまで、アルコールの摂取は我慢しましょう。

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この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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