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【2025年】安全運転管理者とは?選任義務から罰則・業務内容と最新の事例を解説

安全運転管理者とは、「一定台数以上の自家用自動車(白ナンバー)を使用する事業所において、安全な運転を確保するための監督・指導を行う責任者」のことです。

一定台数以上の自動車を所有する企業や事業所は拠点ごとに、

  • 運転者の安全運転指導
  • 点呼等による過労、病気等により正常な運転をすることが出来ない恐れの有無の確認
  • 安全運転確保のための運行計画書の作成
  • 酒気帯びの有無の確認

など、自動車の安全な運転に必要な業務を行う者として、安全運転管理者を選任することが道路交通法第74条の3にて義務付けられています。

また、安全運転管理者を選任していない場合、罰則として50万円以下の罰金が科せられます。

どのような企業や事業所に安全運転管理者の選任が必要なのか、選任の基準や要件、必要な手続きと安全運転管理者が担う業務、選任しなかったときの罰則について詳しく解説します。

1.そもそも安全運転管理者制度とは?

道路交通法第74条の3にて、自動車の使用者(経営者)は定められた台数以上の自動車の使用の拠点ごとに、必要な要件を備える者のなかから安全運転管理者を選任しなければならないと定めています。

選任された安全運転管理者は運転者に対し、自動車の安全な運転を確保するための交通安全教育やその他自動車の安全な運転に必要な業務を行う必要があります。

参考:
安全運転管理者|警視庁
道路交通法 第74条の3(安全運転管理者等)|e-Gov法令検索

1-1 副安全運転管理者とは?

副安全運転管理者とは、「20台以上の車両を使用する事業所において、安全運転管理者の業務をサポート・代行する責任者」のことです。

安全運転管理者の「補佐」として、大規模な事業所における複雑な安全管理体制をより強固にする役割を担います。

管理者と同様に、選任にあたっては一定の資格要件(年齢や実務経験など)を満たす必要があり、公安委員会(警察署)への届出も法律で義務付けられています。

2.安全運転管理者と運行管理者の違いは?

安全運転管理者と混同されやすい役割として「運行管理者」があります。

安全運転管理者と運行管理者は、どちらも法律に基づいてドライバーの安全管理を行う役割があります。

大きな違いは、管理対象とする車両が安全運転管理者は「白ナンバー」であるのに対し、運行管理者は「緑ナンバー」である点です。

それぞれの違いを以下の表にまとめましたので、ご確認ください。

  安全運転管理者 運行管理者
資格要件
  • ・20歳以上
  • ・運転管理の実務経験が2年以上であること

※以下どちらか1つで可

  • ・5年以上の実務経験と所定の講習を5回以上受講すること
  • ・運行管理者試験に合格する
必要人数

1人
※車両台数20台以上は副安全運転管理者の選任が必要

車両台数
1~29台:1人
30~59台:2人
※30台ごとに1名追加

運行管理者の詳しい内容は以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

3.安全運転管理者の選任義務|対象となる企業とクリアすべき条件とは?

安全運転管理者は誰でも選任できるものではなく、資格要件や講習受講などが定められており、企業・事業所の規模で必要な人数も変わります。

  • ・安全運転管理者の選任が義務になる対象は?
  • ・安全運転管理者の人数は何人必要?
  • ・安全運転管理者になるための資格・要件は?

対象や条件について項目ごとに詳しく確認していきましょう。

3-1 安全運転管理者の選任が義務になる対象企業・事業所は?

乗車定員が11名以上の自動車を1台以上保有、または自動車を5台以上保有している場合に安全運転管理者の選任が義務となります。
※ただし、原動機付自転車を除く自動二輪は1台につき自動車0.5台としてカウントされます。

また、運送業で配置が義務付けられている運行管理者をすでに選任している場合は対象外となります。

3-2 安全運転管理者の人数は何人必要?

安全運転管理者の選任義務の対象となる場合は「1事業所につき必ず1名」選任しなければなりません。

さらに、使用する車両が20台以上になると、管理者をサポートする「副安全運転管理者」を台数に応じて追加で選任する義務が生じます。

自動車の保有台数安全運転管理者の人数副安全運転管理者の人数合計人数
5台 〜 19台1名不要1名
20台 〜 39台1名1名2名
40台 〜 59台1名2名3名
60台 〜 79台1名3名4名

※乗車定員11名以上の自動車(マイクロバス等)を1台でも使用している場合は、5台未満であっても安全運転管理者の選任が必要です。

POINT

副安全運転管理者は、「20台ごとに1名ずつ追加」と覚えておくと分かりやすいでしょう。例えば、保有台数が100台の大規模の事業所であれば、安全運転管理者1名+副安全運転管理者5名、計6名の体制を整える必要があります。

3-3 安全運転管理者になるための資格・要件は?

安全運転管理者になるために必要な資格要件を一覧にまとめました。

 安全運転管理者副安全運転管理者
年齢

20歳以上
※副安全運転管理者の選任が必要な場合は30歳以上

20歳以上
運転管理の実務経験
(いずれかに該当していること)
  • ・自動車の運転管理に関し2年以上の実務経験を有する者
  • ・上記と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者
  • ・自動車の運転経験期間が3年以上の者
  • ・自動車の運転管理に関し1年以上の実務経験を有する者
欠格要件
  • ・公安委員会の命令により安全運転管理者等を解任され、解任から2年を経過していない
  • ・下記の違反行為をした日から2年を経過していない
    • ・ひき逃げ
    • ・無免許運転、酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転、無免許運転にかかわった車両の提供、無免許運転の車両への同乗
    • ・酒酔いまたは酒気帯び運転にかかわった車両の提供、酒類の提供、酒酔いや酒気帯び運転の車両への同乗
    • ・酒酔いまたは酒気帯び運転、無免許運転、過労運転、放置駐車違反等の下命や容認
    • ・自動車使用制限命令違反
    • ・妨害運転(著しい交通の危険、交通の危険のおそれ)

安全運転管理者になるための資格要件などについて、詳しい内容は以下の記事で解説しています。

4.安全運転管理者の公安委員会への届け出について

安全運転管理者、副安全運転管理者は選任日から15日以内に公安委員会に届出を行う必要があり、交代の場合も前任者の解任と後任者の届出が必要となります。

必要な書類や提出方法について詳しく説明します。

4-1 必要書類

安全運転管理者、副安全運転管理者の選任の申請に必要な書類は以下があげられます。
都道府県で申請書様式や必要な書類等が異なるため、詳しくは都道府県警察の手続きサイトを確認しましょう。

  • 安全運転管理者等選任届出書
  • 戸籍抄本または本籍の記載のある住民票の写し
  • 運転免許証の表面および裏面の写し
  • 運転記録証明書(発行から1か月以内で過去3年間もしくは5年間のもの)
  • 自動車運転管理実務経歴証明書
  • 居住証明書(以下に該当する場合は別途必要)
    • ・選任者の住民票住所や免許証住所と実際の住所が異なる
    • ・選任者の住民票住所と事業所の住所の都道府県が異なる

参考:安全運転管理者制度|警察庁

4-2 届出の方法

届出の方法は、以下の方法があります。

  • 警察署窓口
  • 警察署へ郵送
  • 警察行政手続サイト

自動車の使用者は安全運転管理者等の選任、変更から15日以内に自動車の使用の本拠地を管轄する警察署を経由して、公安委員会に届け出る必要があります。

参考:安全運転管理者制度|警察庁

4-3【要注意】解任や変更も届け出が必要

安全運転管理者を解任や変更する際にも選任と同様に届け出が必要となります。
安全運転管理者等を解任する理由としては、次のようなケースが考えられます。

  • ①自動車の台数が基準値以下になったとき、事業所が別の警察署管内に移転したとき、または事業所が閉鎖になったときなど。
  • ②安全運転管理者等が「安全運転管理者の選任の資格要件」を備えなくなったときのほか、交通安全教育指針に基づく職場の交通安全教育を怠り、自動車の安全運転が確保されていないと認めるとき公安委員会は、自動車の使用者に対して安全運転管理者等の解任を命ずることができる(解任命令)。

5.安全運転管理者が必要な理由|最新の摘発事例

安全運転管理者の選任は、単なる事務手続きではありません。

安全運転管理者の役割は、プロの目線で「ドライバーの心身の状態」と「車両の安全」を監視し、重大事故の芽を事前に摘み取ることにあります。

もし管理者が不在であれば、飲酒運転や無免許運転といった致命的なコンプライアンス違反を見逃すリスクが高まります。

その結果、ひとたび事故が起きれば、被害者の人生を狂わせるだけでなく、企業も社会的信用の失墜や厳しい刑事罰を免れません。

ここでは、管理体制の不備がいかに深刻な事態を招くのか、象徴的な2つの事例を見ていきましょう。

5-1 事例①飲酒運転による悲劇|児童5人が犠牲に

令和3年(2021年)、千葉県八街市で下校中の児童5名が死傷するという極めて凄惨な飲酒運転事故が発生しました。

この事故を起こしたトラックが「白ナンバー(自家用自動車)」であったことから、社会的な注目が集まりました。

その後の捜査で、事故を起こした事業所では安全運転管理者が選任されておらず、日々のアルコールチェックや安全教育も全く実施されていなかったことが判明しました。

もし管理者が選任され、日常的に運転者の状態を確認していれば、この悲劇は防げたかもしれません。

この事案を重く見た政府は、道路交通法施行規則を改正し、現在のアルコールチェック義務化や、管理者の不選任に対する罰則の引き上げ(最大50万円の罰金)が決定される大きなきっかけとなりました。

参考:親会社に罰金の略式命令 安全運転管理者置かず 八街児童死傷事故|朝日新聞

5-2 事例②無免許運転の事故から発覚|不選任の電気工事会社が書類送検

2026年4月、企業の「ずさんな管理体制」が発覚し、書類送検に至った事例があります。

2025年12月、千葉市の電気工事会社に勤める社員が東京都内で社用車を運転中に事故を起こした際、免許証を確認したところ、約8年も前に免許が失効していたことが分かりました。

その後の調べで、この会社は規定台数以上の車両を保有していたにもかかわらず、安全運転管理者を選任していませんでした。警視庁は、管理義務を怠ったとして法人としての会社と社長を書類送検しています。

社長は「選任義務があることを知らなかった」と供述していますが、法律上、知らなかったでは済まされません。

安全運転管理者が適切に配置され、定期的な免許証の有効期限チェックが行われていれば8年もの間、無免許運転を放置することはあり得なかったはずです。

事故そのものだけでなく、「管理を怠っていた事実」が企業の社会的責任を厳しく問われる結果となった典型的な事例です。

参考:免許は8年前に失効…無免許事故で発覚 安全運転管理者不選任疑い、電気工事会社書類送検|産経ニュース

6.安全運転管理者制度を怠った場合の罰則は?

安全運転管理者とは、企業や事業所においてドライバーの安全管理を担う重要な存在です。

しかし、この安全運転管理者制度を怠った場合、4つの違反行為に対して罰則が科せられます。

道路交通法の改正等により、罰則の追加および罰金の引き上げが行われ、現在は非常に厳しい処分となっています。

現在の罰則は以下のとおりです。

違反行為内容罰則
選任義務違反 安全運転管理者の選任義務の対象であるにもかかわらず、企業や事業所が選任しない場合

50万円以下の罰金

解任命令違反 安全運転管理者の解任命令が出されても適切な手続きを取らず、安全運転管理者の職務を続ける場合

50万円以下の罰金

是正措置命令違反 安全運転管理者に対して是正措置命令が出されても適切な対応を取らなかった場合

50万円以下の罰金

選任解任届出義務違反 安全運転管理者の選任や解任を適切に届け出ない場合

5万円以下の罰金

安全運転管理者制度を怠った場合の罰則については、以下の関連記事でも詳しく解説しています。罰則が重くなった背景、安全運転管理者制度を怠った場合のリスクなどについても掲載しています。合わせてご覧ください。

7.安全運転管理者の9つの業務内容

安全運転管理者は、その管理下の運転者に対して安全運転教育や安全運転管理業務を行わなければなりません(道路交通法施行規則第9条の10)。

ここでは、安全運転管理者の主な業務を9つ紹介します。

①運転者の状況把握

自動車の運転についての運転者の適性、知識、技能や運転者が道路交通法の規定を守っているか把握する業務です。

②運行計画の作成

運転者の過労運転の防止、その他、安全な運転を確保するために自動車の運行計画を作成する業務です。

③交代要員の配置

長距離運転もしくは夜間運転となる場合、疲労等により安全な運転ができないおそれがあるときは交替するための運転者を配置する必要があります。

④異常気象時等の安全確保の措置

異常な気象・天災その他の理由により、安全な運転の確保に支障が出る可能性がある際は、安全確保のために必要な指示や措置を講じる必要があります。

⑤安全運転の指示

安全運転の指示とは、運転しようとする運転者に対して点呼等を行い、車両点検の実施および飲酒、疲労、病気などにより正常な運転ができないおそれがないかを確認し、安全に運転できるよう必要な指示を出す業務です。

⑥アルコール検知器を用いた運転前後の酒気帯び確認

運転前後の運転者に対して、酒気帯びの有無について該当運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行うことです。

⑦アルコールチェックの1年間の記録保存・アルコール検知器の常時有効に保持

酒気帯びの有無の確認内容を記録し1年間保存することに加え、アルコール検知器を常時有効に保持する業務のことです。

⑧運転日誌の記録

運転日誌の記録とは、運転の状況を把握するため、運転終了後の運転者に必要事項を記録させることです。

⑨運転者に対する指導

運転者に対して「交通安全教育指針」に基づく教育のほか、自動車の運転に関する技能や知識、その他、安全な運転を確保するため必要な事項について指導を行うことも重要な業務の1つです。

 

参考:道路交通法施行規則 第9条の10(安全運転管理者の業務)|e-Gov法令検索

8.安全運転管理業務を正しく効率的に行う方法

安全運転管理者の業務は多岐にわたり、特に「アルコールチェック」や「運転日誌の管理」は毎日発生するため、手書きやアナログな管理では限界があります。

記録の漏れや紛失は法令違反に直結するだけでなく、万が一の事故の際に「適切な管理を行っていた」と証明できず、企業が不利な立場に置かれるリスクもあります。

そこで、業務を正確かつ効率化するために、以下の3点を備えたクラウド型管理システムの導入が推奨されます。

① 不正やなりすましを防ぐ「本人確認機能」
測定時に顔認証や写真撮影を行う機能です。「誰が」測定したかを明確に記録することで、なりすまし等の不正を未然に防ぎ、データの信頼性をしっかりと担保します。

② データの「自動保存・クラウド管理機能」
測定結果が即座にクラウドへ保存される機能です。管理者がリアルタイムで状況を確認できるだけでなく、法令で定められた「1年間の記録保存」も自動で行えるため、事務負担を大幅に軽減できます。

③ 勤怠管理など「他システムとの外部連携機能」
勤怠管理システムと連携し、「アルコールチェックを完了しないと打刻(出勤登録)ができない」といった仕組みを構築する機能です。ヒューマンエラーによる漏れを物理的に防ぎ、より確実なコンプライアンス遵守が可能になります。

パイ・アールの「アルキラーNEX」は、これらの要件をすべて網羅しています。国内製高精度センサーによる不正防止に加え、スマートフォンアプリで点呼から運転日誌の作成まで一括管理が可能です。

管理者の心理的・物理的負担を軽減し、本来の目的である「安全運転の指導」に注力できる環境を整えましょう。

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9.まとめ|安全運転管理者の選任義務違反は罰則がある

安全運転管理者は運転者が安全な運転を行うために必要な業務を担う重要な役割を果たしているため、選任は法律で義務付けられており選任義務違反等の罰則は重いものとなっています。

また、誰でも安全運転管理者に選任できるわけではなく、実務経験や必要な要件などが定められています。

安全運転管理者の選任が必要な企業は、適切な人材の確保や、業務負担を軽減できるツールを活用することで、円滑な業務遂行をサポートすることが重要です。

安全運転管理者や副安全運転管理者が適切に業務が行える環境を整え、安全な事業運営を行っていきましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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