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煽り運転を通報するまでの流れ【後日は注意】|もし通報されたらどう対応するか解説

煽り運転は、ドライバーや同乗者だけでなく、車社会全体にとって非常に危険な行為であり、重大な事故やトラブルを引き起こす可能性があります。

もし煽り運転を目撃したり、自分が被害に遭った場合、適切な手順を踏んで通報することで、未然に事故を防ぐことも可能です。

その反面、自分が煽り運転で通報された場合はどのような対応をすればいいのでしょうか?

本記事では、煽り運転を通報するまでの具体的な流れと、後日警察からの注意や呼び出しがあった際の対応方法について詳しく解説します。

1. 煽り運転を通報するまでの流れを3ステップで解説

煽り運転は重大な犯罪であり、時には大きな事故につながるおそれがあります。

被害を受けた場合は、安全を確保しつつ、冷静に警察へ通報することが非常に重要です。

煽り運転を通報するまでの流れを3ステップで解説します。

① 安全を確保できる場所に駐車する

煽り運転を受けた際には、相手に対抗するのではなく、自分と同乗者の安全を最優先に行動することが大切です。

まず、ドアをロックし、冷静に対応するよう心がけましょう。安全を確保するためにスピードを落とし、安全な場所に停車することが望ましいです。

停車後はエンジンを切らずに、ドアをロックした状態で車内に待機し、相手が接近してきた場合には、すぐにその場を離れられるように準備しておくことが望ましいでしょう。

② 相手の車種やナンバーを記録する

煽り運転を受けた際には、相手の車種やナンバープレートの記録が非常に重要な証拠になります。

可能であれば、車種・色・ナンバー・特徴的なステッカーなど、できる限り多くの情報をスマートフォンで撮影したり、メモなどに書き留めておきましょう。

これらの情報は、警察への通報時や後日の確認の際に非常に役立ちます。

③ 警察へ通報する

安全を確保し、相手の車のナンバーなどを記録したらすぐに110番通報し、「煽り運転を受けたこと」「現在地」「相手車両の特徴」などの状況を詳しく伝えることが重要です。

証拠としてドライブレコーダーの映像や情報を提供し、警察の指示に従いましょう。

煽り運転は重大な犯罪行為なので、警察と協力し適切な対応を取ることが重要になります。

2. 煽り運転を後日通報するのは注意が必要

煽り運転を受けた場合は、その途中または直後に警察へ通報することが推奨されています。

後日に通報の場合でも対応はしてくれますが、煽り運転をされたドライブレコーダーの映像や相手の情報を含めた証拠が必要なケースがほとんどとなります。

また、上記のようなドライブレコーダーの映像などの証拠があった場合でも、逮捕に至ることは稀だと言われています。

映像に相手車両のナンバーなどが映っていない場合は、捜査自体実施してもらえない場合もあります。

泣き寝入りにならないためにも、ドライブレコーダーの映像や相手の車種の記録と合わせて、警察にすぐに通報することで逮捕や取り締まりに繋がります。

3. 煽り運転に遭わないための5つのポイント

煽り運転を受けた時の対処法について解説してきましたが、普段の運転の際に注意すれば、煽り運転を受ける可能性を低くすることもできます。

煽り運転を受けないために、5つのポイントを解説します。

① 適切な(安全な)速度で走行する

安全な運転を心がけるためには、適切な速度での運転が不可欠です。追い越しや割り込みを行うと、これが原因でトラブルに発展する可能性があります。

一般道路では、法定速度以下でゆっくり走りすぎると、煽り運転を誘発することがあるため注意が必要です。

とくに高速道路では、追い越し車線を長時間ゆっくり走行することは、煽り運転の原因となり、通行帯違反にもなります。

その場に応じた適切な速度を守り、安全な運転を心がけることが大切です。

② 車間距離をしっかり保つ

車間距離を十分に保つことも大切になります。

車間距離は保つべきですが、この車間距離を極端に詰めていると、前の車から煽り運転をされているという誤解を生む場合もあります。

その結果、トラブルに繋がることもあるので気を付けましょう。

③ 危険な車両から離れる

運転時には、周囲の車の動きに注意することも重要です。常に周りの車の状況を把握しておくことで、危険な車両を察知することもできます。

もし、妨害運転などの危険な運転をしている車両を見つけた場合は、距離を取るようにしましょう。

ウインカーや合図もせずに割り込みをされたり、急発進や急停車、頻繁な車線変更をする車には近づかないことが賢明です。

④ むやみにクラクションを鳴らさない

煽り運転を受ける際の原因として、クラクションもよく原因として挙げられます。

そもそもクラクションは法令の規定による場合か、危険防止のためにやむを得ない場合のみ鳴らすことが認められています。

むやみやたらにクラクションを鳴らすと、トラブルを招く原因にもなるので、気を付けましょう。

⑤ ドライブレコーダーを設置していることを知らせるステッカーを貼る

ドライブレコーダーの存在は、煽り運転や迷惑行為に対する大きな抑止力になります。

そのため、「ドライブレコーダー録画中」や「ドライブレコーダー前後作動中」といったステッカーを車に貼るだけでも、抑止力として効果が期待できます。

4. 煽り運転の罰則は?

煽り運転についての罰則は、2020年6月30日から妨害運転(煽り運転)に対してはじめて罰則が設けられました。

急ブレーキ禁止違反等の違反に対して、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、妨害運転により著しい危険が生じた場合には「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」の刑に処せられます。

また、妨害運転を行うと免許取消処分の対象となります。大きな事故に繋がる恐れがあるため、罰則も厳しくなっています。

煽り運転の罰則について、以下の関連記事で詳しく解説をしています。ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事:『煽り(あおり)運転の具体的な罰則と厳罰化された背景を解説|煽り運転の事例10選

5. もし自分が煽り運転で通報されたらどうなる?

ここまでは、煽り運転を受けてしまった場合を仮定して解説してきました。

本章では、自分が通報されたり、逮捕されてしまった場合どうなるのかについて解説します。

自分にそのつもりがなくても、相手に煽り運転と受け取られてしまえば取り締まりの対象になってしまうこともあります。しっかり確認しておきましょう。

警察から連絡がきて、調査が入る

煽り運転を受けた被害者が警察に被害届を出すと、ナンバープレートなどの情報を基に捜査が開始されます。

煽り運転が確認されると、警察から呼び出しや任意同行を求められることがあります。

また、後日通報された場合でも、被害届が受理され煽り運転を証明する証拠が明らかになると、警察からの連絡がくることもあります。

その結果、逮捕される可能性も十分にあります。煽り運転は決して軽視できない行為であり、厳しい対応が取られることを覚えておくことが重要です。

証拠がある場合は「妨害運転罪」で逮捕される可能性がある

煽り運転は「妨害運転罪」として処罰の対象になります。

妨害運転罪は、他の車両等の通行を妨害する目的で、他の車両等に道路における交通の危険を生じさせる恐れのある時に成立します。

要件としては下記の3つが挙げられます。

  • ①「他の車両等の通行を妨害する目的」を有する場合
  • ②「道路交通法117条の2の2第8号に列挙される運転行為」に該当する場合。
  • ③ ②の運転行為に「他の車両に道路上の交通の危険を生じさせるおそれ」があること

参考:道路交通法第八章 罰則|e-Gov 法令検索

運転中に通報されると現行犯逮捕の可能性がある

煽り運転は現行犯で逮捕の可能性があります。現行犯となると運転中に通報することになるので、その通報自体も危険だと感じますよね。

法律では、運転中の携帯電話の使用は基本的に禁止されています。

ただし、例外として道路交通法第71条5の5に「傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く」と規定されています。

このため緊急時のやむを得ない事態に該当するので、煽り運転を受けていると感じた場合の通報は、正当な行為と認められます。

そのため、煽り運転の被害者が現場から通報することにより、駆け付けた警察に現行犯で逮捕される可能性もあります。

参考:道路交通法第71条(運転者の遵守事項)|e-Gov 法令検索

6. まとめ|煽り運転だと感じたらすぐに通報して対応すること

本記事では、煽り運転を通報するまでの流れや煽り運転の罰則について解説してきました。

煽り運転は被害者になることもあれば、加害者になる可能性も秘めています。そうならないためにも、普段から安全運転を心がけることが煽り運転を防ぐ大きなポイントとなります。

煽り運転やトラブルが発生した場合は、冷静な対処が必要です。煽り運転だと感じれば警察に通報し、協力して適切な対応を取ることが重要です。

また、通報時に備えてドライブレコーダーやステッカーなどの対策グッズを活用し、万が一の場面に備えておきましょう。

関連記事:『煽り運転の対策グッズ3選|煽り運転に遭った時の対処法・対策方法も解説

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この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求し、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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