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精度が高いアルコールチェッカーの特徴|事業者や警察が使用しているモデルとは?

精度が高いアルコールチェッカー(アルコール検知器)は、飲酒運転を未然に防ぎ、事業者における安全管理や業務の効率化に役立ちます。

事業者や警察が使用している業務用モデルは、個人向けの簡易型モデルよりも検知精度が高く、なりすまし防止機能なども搭載されているため、法令遵守やリスク管理の徹底に必須のツールです。

さまざまな業界で導入されていますが、そもそも「精度が高いアルコールチェッカー」にはどのような特徴があるのでしょうか。

本記事では、高精度アルコールチェッカーの特徴や、事業者や警察が使用しているアルコールチェッカーの特徴について解説します。

さらに、検知精度を維持するポイントや、利用方法に関するよくある疑問をQ&A形式で解説しているので、アルコールチェッカーを正しく扱うための参考にしてください。

1. 精度が高いアルコールチェッカーの5つの特徴

アルコールチェッカーの精度は、使用環境やセンサーの種類によって大きく左右されます。

特に、アルコールチェック義務化の対象事業者にとっては、誤差の少ない信頼性の高いアルコールチェッカーを選ぶことが重要です。

そこで本章では、精度が高いアルコールチェッカーの特徴を5つに分けて解説します。

1-1 国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとその基準

2023年12月1日から一部改正・施行された「道路交通法施行規則」では、一定台数以上の車両を保有する白ナンバー事業者に対して、「国家公安委員会が定めるアルコールチェッカー」の使用が義務化されています。

国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、以下のように定義されています。

【国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーの基準】

呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器

引用:国家公安委員会告示第63号 |警察庁

国家公安委員会が定めるアルコールチェッカーとは、告示で定められた基準を満たした機器を指します。この基準を満たしていれば、市販のものでも問題はありません。

しかし、事業者には「アルコールチェッカーを常時有効に保持すること」が義務付けられているため、信頼性の高い業務用アルコールチェッカーを選ぶことが推奨されます。

関連記事:『自家用車(白ナンバー)はアルコールチェック義務化の対象?通勤やプライベート利用時の疑問を解消

1-2 電気化学式センサーのアルコールチェッカー

アルコールチェッカーのセンサーには、半導体式ガスセンサーと電気化学式(燃料電池式)センサーの2種類があります。

中でも電気化学式(燃料電池式)センサーは、アルコール以外の成分に反応しにくい特性があるため、より高精度なのが特徴です。

警察や事業者で採用されるアルコールチェッカーの多くが電気化学式センサーであり、経年劣化がしにくい特徴もあるため、安定した利用が可能です。

以下の関連記事では、センサーの特徴について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『知っておくべきアルコールチェッカーの仕組みや違いとは?

1-3 マウスピース式・ストロー式のアルコールチェッカー

アルコールチェッカーには、主に吹きかけ式、マウスピース式、ストロー式の3タイプがあります。

より高精度な測定結果を得られるのがマウスピース式、ストロー式とされています。

本体にマウスピースまたはストローを差し込み、くわえて息を吹き込むため、吹きかけ式よりも外気の混入を防ぎやすく、精度が高い結果を得やすいのが特徴です。

使い捨てのマウスピースやストローを用いることで衛生面も安心でき、複数人での利用にも適しています。

高精度と清潔さを両立したい場合は、マウスピース式やストロー式が推奨されています。

関連記事:『アルコールチェッカーの使い方|正しく利用するためのポイントや注意点を紹介

1-4 J-BAC(アルコール検知器協議会)認定のアルコールチェッカー

J-BACは、2015年4月に、国や運輸業界から強い要請を受け、アルコールチェッカーの製造・販売に携わる企業によって発足した団体です。

アルコールチェッカーの品質向上や普及を通じて関係省庁や各団体と連携し、飲酒運転根絶と健康管理を提唱しています。

J-BACでは、アルコール検知器認定制度を設けており、厳しい審査基準を満たしたアルコールチェッカーのみが型式認定されます。

認定機器には「JB」マークが使用されるため、精度が高いアルコールチェッカーを選ぶ際の基準にすると良いでしょう。

ただし、ネット上では認定機器をかたる製品が販売されているため、事前にJ-BACの「認定機器一覧」で正式な認定機器かどうかを確認してください。

参考:【ご注意!】〜当協議会加盟及び認定製品を騙るネット販売の表記について〜(PDF)|J-BAC(アルコール検知器協議会)

1-5 外部環境変動への耐性と安定した測定能力

アルコールチェッカーは、温度や湿度の変化、周囲のにおい成分などの影響を受けやすい特徴があります。

しかし、J-BAC認定機器などの高精度なアルコールチェッカーは、外部環境の影響を最小限に抑える設計がされており、比較的安定した検知結果を期待できます。

一般的には、使用温度範囲が5℃〜40℃程度、保管温度範囲が-20℃〜60℃程度とされており、夏場や冬場の寒冷地での車内放置をしない限り、安全な使用が可能です。

以下の関連記事では、アルコールチェッカーの耐久温度や正しい保管方法について解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『アルコールチェッカーの耐久温度は?「熱」がセンサーに与える影響と保管方法【夏は要注意】

2. 事業者が使用すべき高精度アルコールチェッカーは?

事業者が使用するアルコールチェッカーには、一定の性能基準が求められており、警察庁が安全運転管理者向けに公表した資料では、以下のように記されています。

Q. 使用すべきアルコール検知器の性能は決まっていますか?

A. アルコール検知器については、呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器であれば足りることとされています。安全運転管理者は、アルコール検知器を常時有効に保持することとされていることからアルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければなりません。

引用:アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等に係るQ&A(PDF)|警察庁

上記に加えて、アルコールチェック義務化の対象事業者の場合は、法令遵守の観点から、J-BAC認定機器のアルコールチェッカーが望ましいとされています。

また、測定結果を記録・保存し、管理者が後から確認できる機能も搭載されていると便利です。

近年は、測定結果をクラウド上に自動で送信・保存し、管理者がリアルタイムでチェックできる「クラウド型アルコールチェッカー」が普及しています。

ドライバーの測定状況を遠隔から把握でき、なりすまし防止や管理業務の効率化に効果的です。

以下の関連記事では、クラウド型アルコールチェッカーの仕組みや選び方について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『クラウド型アルコールチェッカーとは?仕組みや従来型との違い・選定ポイントを紹介

3. 警察が使用しているアルコールチェッカーは?

警察が飲酒検問などで使用しているアルコールチェッカーは、業務用アルコールチェッカーをベースに、警察向けに開発されたモデルが採用されているとされています。

そもそも警察官をはじめとする公務員は、特定業者の製品を推奨することや、特定業者に利益を与えるような斡旋が「日本国憲法第15条」や「国家公務員倫理規程第3条」で禁止されているため、公式に使用機種が公開されないのが一般的です。

警察の場合、使用機種が特定されると、仕様や誤作動の弱点が悪用される恐れがあるため、公表されていません。

アルコール検知器協議会でも、以下のように記されています。

Q.市販品のアルコール検知器の精度は警察が取り締まりに使用している検知器と比べてどうなのですか?

A.警察の使用している検知器は入手することができず、同等品であるかお調べする事ができません。また、当局の当該機器および仕様については非公開となっており、市販品との比較もできません。

引用:よくあるご質問|J-BAC(アルコール検知器協議会)

言えることは、「警察で使われているのは市販の簡易型モデルではなく、業務用アルコールチェッカーと同等の高精度な機器である」という点です。

参考:
日本国憲法第15条|e-GOV 法令検索
国家公務員倫理規程第3条(禁止行為)|e-GOV 法令検索

4. アルコールチェッカーの精度を維持するための3つのポイント

アルコールチェッカーは、飲酒運転防止や安全管理に欠かせない機器ですが、使い方や管理方法を誤ると、測定結果が正しく出なくなる場合があります。

アルコールチェック義務化対象の企業においては、精度のブレや誤検知は、信頼性を損なう原因となりかねません。

そこで本章では、アルコールチェッカーの精度を維持するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

4-1 誤検知を防ぐ|正しい使用方法を守る

アルコールチェッカーは使用方法を誤ると、実際には飲酒していないのに反応が出るなど誤検知につながります。

未飲酒なのに誤検知が出る場合、以下のような原因が考えられます。

【誤検知の原因】
飲食物発酵食品、ガムなど
糖尿病治療薬が反応する可能性がある。
タバコ一酸化炭素に反応する可能性がある。
歯磨き粉エタノールに反応する可能性がある。マウスウォッシュや入れ歯安定剤も反応する可能性がある。
周囲の環境芳香剤、香水、アルコール消毒液、ウェットティッシュに含まれる成分に反応する可能性がある。

測定前にはアルコール成分を含む食品・飲料を避け、飲食後は30分以上間隔をあけることが重要です。

また、説明書に記載された吹き込み時間や距離を守ることも大切です。

関連記事:『未飲酒でもアルコールチェッカーが反応してしまう?7つの原因や対処法を解説

4-2 精度のブレを防ぐ|適切な環境で保管する

アルコールチェッカーは温度や湿度の影響を受けるため、車内や直射日光の当たる場所に長時間放置した場合、精度のブレを引き起こす場合があります。

特に、夏場の高温環境や冬場の極端な低温下での保管は避けることが推奨されます。

空調が効いた事務所などで保管したり、常に持ち歩くなどして、誤検知を防止しましょう。

以下の関連記事では、アルコールチェッカーの適切な保管方法について解説していますので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『アルコールチェッカーの耐久温度は?「熱」がセンサーに与える影響と保管方法【夏は要注意】

4-3 精度の低下を防ぐ|定期的にメンテナンスや校正を行う

アルコールチェッカーは、定期的なメンテナンスや校正の実施が推奨されており、実施しない場合、検知精度が低下する可能性があります。

多くの業務用モデルではメーカーや専門業者による校正サービスが提供されており、1年〜2年ごとの実施が推奨されています。

さらに、消耗部品の交換や清掃も精度を保つ上で大切です。

事前にメーカーが推奨する方法で、適切に清掃を行うことで、長期間にわたって正確な測定結果を得られます。

関連記事:『アルコールチェッカーの校正とは?定期的なメンテナンスの重要性

5. 精度が高いアルコールチェッカーを選ぶなら「アルキラーNEX」

アルキラーNEXの特徴:日本製センサー、クラウド管理、走行管理、豊富な実績

アルコールチェック義務化の対象企業において、検知精度の高さは法令遵守や安全管理に直結するため、信頼できるモデルを選ぶ必要があります。

パイ・アールの業務用アルコールチェッカー「アルキラーNEX」は、確実な品質と信頼性で、規模や業界問わず幅広い事業者様に選ばれています。

利用継続率は99.7%(※1)と高い割合を示しており、アルコールチェック以外にもクラウドによる一元管理や走行管理機能なども備えているため、業務の効率化にも有効です。

そこで本章では、アルコールチェッカー「アルキラーNEX」の特徴について4つの視点から紹介します。

※1 毎月解約率の平均値を差引した利用者割合(2022年5月〜2023年4月 自社調べ)

5-1 日本製のセンサーを搭載

アルキラーNEXは、日本製センサーを搭載しており、検知精度が安定しているため、日々のアルコールチェックでの誤検知を防げます。

また、J-BACの認定機器であるため、アルコールチェック義務化の対象企業様も安心してお使いいただけます。

業務内容にあわせて、携帯型と据え置き型の2タイプから選ぶことが可能です。

5-2 クラウド管理が可能

アルキラーNEXは、測定結果をクラウド上に自動送信・保存できるため、管理者は、従業員の測定結果を一元管理できます。

さらに、紙での記録や個別入力の手間を省けるため、管理業務の効率化が可能です。

また、インターネット環境さえあれば、どこからでもデータ確認ができるので、遠隔地の営業所や出張中のドライバーの記録管理にも対応できます。

法令遵守を徹底しつつ、管理負担を減らしたい企業様に最適な仕組みです。

5-3 走行管理機能で業務の効率化が可能

アルキラーNEXには、アルコールチェックに加えて走行管理機能(オプション)も搭載されています。

【アルキラーNEXの走行管理機能】

  • 運転時間、走行距離、給油量、訪問先の記録
  • 走行距離の自動計算
  • 運転日報、帳票の自動作成
  • 免許管理
  • 車両予約
  • 位置情報の取得
  • 運転経路の表示
  • 有料道路料金の入力
  • 稼働率の把握 など

位置情報はリアルタイムで把握できるため、予定変更や災害発生時などには、営業所から安全で適切なルートをドライバーに指示できます。

ドライバーの安全確保につながるほか、ムダな燃料消費を防げるため、コスト削減にも効果的です。

参考:スマホひとつで走行データを取得|アルキラーNEXの走行管理機能

5-4 豊富な導入実績

アルキラーNEXは、他社にはない機能の数々から、企業の規模や業界を問わず、幅広い企業様にご利用いただいています。
参考:導入企業一覧

検知精度の高さはもちろん、クラウド管理による業務の効率化や、操作性のしやすさに一定の評価をいただいており、管理者やドライバーの負担を軽減できます。

また、アフターフォローも充実しており、「カートリッジ交換費用」「センサー洗浄費用」「故障修理費用(補償範囲内の故障に限る)」をすべて無料で実施可能です。

これまでの導入事例について、以下のページに掲載されています。あわせてご確認ください。
参考:導入事例一覧

6.【Q&A】アルコールチェッカーの精度に関するよくある質問

アルコールチェッカーは、センサーの種類や使用年数、選び方によって精度が大きく変わるため、「本当に正しい測定が可能なのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。

そこで本章では、精度にまつわるよくある質問に答えながら、アルコールチェッカーを正しく選び、安心して使用するためのポイントを解説します。

アルコールチェッカーには数種類のセンサーがあるが精度が高いのは?

アルコールチェッカーのセンサーは、主に半導体式と電気化学式の2つです。

一般的に、電気化学式センサーを搭載したモデルの方が、特定のアルコール以外の物質に反応しにくく、より安定した高精度な測定が可能だとされています。

警察が使用するアルコールチェッカーも、多くがこの電気化学式センサーを採用していると言われており、事業者向けの場合も同様に推奨されています。

アルコールチェッカーは一度購入したらずっと使える?

いいえ。

アルコールチェッカーには使用回数や使用期限の目安が設定されています。

アルコールチェッカーは精密機器であり、使用頻度や保管環境、時間の経過とともにセンサーの性能が変化し、精度が低下します。

そのため、正確な検知精度を維持するためには、定期的なメンテナンスや校正が欠かせません。

メーカーの指示を仰ぎ、必要に応じてセンサーやカートリッジの交換、基準値とのずれを調整する校正を行うことで、精度の高い測定が可能です。

法定遵守の観点からも、この定期的なメンテナンスと校正は非常に重要です。

事業者がアルコールチェッカーを選ぶ際に精度以外で大事な点は?

事業者がアルコールチェッカーを選ぶ際には、精度はもちろん重要ですが、「運用のしやすさ」も考慮する必要があります。

具体的には、複数人での使用を想定した耐久性、測定結果の記録・管理機能(クラウド連携や専用アプリなど)、導入後のサポート体制(メンテナンスや校正サービスを含む)、コストパフォーマンスなどを総合的に評価することが大切です。

「アルコールチェックの記録を効率的かつ正確に行えるか」「万が一のトラブル発生時に迅速に対応できるか」なども製品選びの重要なポイントとなります。

7. まとめ|高精度なアルコールチェッカーで法定遵守を徹底しよう

本記事では、高精度アルコールチェッカーの特徴や、警察が使用しているアルコールチェッカーの特徴、検知精度を維持するポイント、利用方法に関するよくある質問をQ&A形式で解説しました。

高精度なアルコールチェッカーは、法令遵守と安全管理を徹底する上で欠かせないツールです。

特にJ-BACの認定機器は信頼性が高く、事業者における安全管理や法令遵守の徹底に役立ちます。

また、正しい利用方法や適切な保管を心がけることで精度を維持できるため、メーカーに確認した上で適切なメンテナンスや校正を実施しましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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