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カーシェアを設置して土地を有効活用|収益性や3つのメリット・デメリットを解説

狭小地や空き駐車場を有効活用し、安定した収入を得たいと考えている方におすすめなのが「カーシェア」の設置です。

近年、都市部を中心にカーシェアリング(以降、カーシェアと表記)の需要が高まり、土地活用の一環として、企業や個人でカーシェアを設置するケースが増えています。

駐車場経営と比べて、高い収益性が期待できる点や、初期投資を抑えながら始められる点が主なメリットですが、デメリットや課題も存在します。

そこで本記事では、カーシェアのメリット・デメリットや収益性、事業モデルについて解説し、カーシェアを始める流れを詳しく紹介します。

土地活用を検討している駐車場オーナーの方や、マンション、アパートオーナーの方は、ぜひ参考にしてください。

1.カーシェアの6つの特徴と収益性

カーシェアの利用シーンはさまざまで、毎日の通勤から、雨の日の送迎や終電後の移動、大きな買い物、怪我をした際の移動手段、子どもが夜泣きした際の避難先としても利用されています。

最近では、法人向けカーシェアの人気が高まっており、顧客訪問に利用する使い道以外に、個室やカフェがわりに車内で作業するビジネスマンが増えています。

15分200円程度で、レンタカーよりも手軽に利用できるため、利用者の幅が広く、市場規模は年々拡大しています。

土地活用の一環としてカーシェアを設置することで、空き地を有効活用でき、安定収入にもつながります。

土地活用には、アパートやマンション経営、トランクルームやコインランドリー経営、太陽光発電の設置、資材置き場、借地などがありますが、それぞれ特徴があります。

土地活用でカーシェアを設置する場合の特徴は主に6つです。

【土地活用でカーシェアを設置する場合の特徴6つ】
初期費用 管理の手間 収益性 相続税対策 リスク 流動性
低い ほぼかからない 中程度 低い 小さい 高い

広い土地が必要ないため、普通乗用車の場合、約4.5坪(長さ6m×幅員2.5m)の広さがあれば土地活用が可能です。

住宅街やその周辺エリアでは特に需要が高く、土地活用や空き駐車場対策として有効な手段とされています。

カーシェアの収益性は、駐車スペース1台あたり月1〜2万円程度です。(※エリアや周辺環境によって変化します。)

カーシェアには2つの事業モデル(経営方式)があり、どちらを選択するかで収益の目安が変化します。

そこで次の章では、2つの事業モデルの特徴について解説します。

関連記事:『カーシェアを法人利用するメリット・デメリット|料金相場や選び方のポイントも紹介

参考:駐車場設計・施工方針について(PDF)|国土交通省

2.カーシェアの2つの事業モデル

カーシェアの設置には、「一括借り上げ方式」と「自家用車の共同使用」の2つの事業モデルがあります。

それぞれ特徴があり、収入目安も異なります。

そこで本章では、一括借り上げ方式と自家用車の共同使用の2つの事業モデルについて、それぞれの特徴を解説します。

一括借り上げ方式

一括借り上げ方式とは、カーシェア事業者に土地を一括して貸し出し、借地料を得る事業モデルです。

一括借り上げ方式の特徴は以下のとおりです。

【一括借り上げ方式の特徴】

  • 安定した収入が得られる
  • 初期費用がかからない
  • 空車に伴う収益減のリスクがない
  • 管理の手間が省ける(予約/メンテナンス/清掃/トラブル/など)
  • 契約期間内での転用で違約金が発生する
  • 自力で収益性を上げられない  など

一括借り上げ方式では、カーシェア事業者との契約で取り決めた借地料が毎月支払われるため、利用者が少ない時期でも安定した収入が見込めます。

塗装工事や精算機の設置、日々の清掃やメンテナンス、予約のやりとりまで、すべてカーシェア事業者が負担するため、初期費用やランニングコストがかからない点も特徴です。

一方で、カーシェア利用者が増加しても、追加の収入を得ることはできません。

また、近隣に大型商業施設などがオープンし、駐車場の需要が変化した場合、カーシェア事業者から借地料の減額を提示されるケースがあります。

自家用車の共同使用

自家用車の共同使用(CtoCカーシェア)は、車両(自家用車)のオーナーと利用者が、カーシェア事業者の予約システムを介して、「貸し出し」や「返却」を行う事業モデルです。

自家用車の共同使用の特徴は以下のとおりです。

【自家用車の共同使用の特徴】

  • 経営の自由度が高い
  • 収益性を高められる
  • 自家用車を有効活用できる
  • コミュニティの構築が図れる
  • 車両の管理が必要
  • 利用者とのやりとりが発生する
  • ランニングコスト(ガソリン代やメンテナンス費用)がオーナ負担になる場合がある
  • 利用者が交通違反の反則金を支払わない場合、オーナーが負担する可能性がある  など

海外のカーシェア市場では、自家用車の共同使用が一般的です。

近年、日本でも増えている事業モデルであり、立地や周辺環境次第では、収益の増加を見込めます。

ただし、車両や駐車スペースの管理はオーナーが行う必要があり、万が一、車両に傷がついた場合、基本的にカーシェア事業者は介入しないため、オーナー自身で警察や保険会社に連絡し、利用者と話し合う必要があります。

また、利用者が交通違反の取り締まりを受けて、反則金を支払わない場合、車検証上の使用者に責任が及びます。

自家用車の共同使用は、収益性を高められる分、手間がかかりやすい点が特徴と言えるでしょう。

3.カーシェアを設置する3つのメリット

空き地や駐車場を有効活用する方法として、カーシェアの需要が高まっていますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

本章では、カーシェアを設置するメリットについて3つ紹介します。

空いている土地を有効活用して収益を上げられる

空いている土地にカーシェアを設置することで、活用していなかった土地を有効活用できます。

特に、駅近や住宅街、商業施設周辺の土地は高い需要が見込まれるため、想定以上の収益が期待できる場合があります。

また、月極駐車場やコインパーキングの空車対策としても有効で、契約台数や稼働率が収入に直結するため、カーシェアの方が収益が安定する可能性があります。

初期費用がほとんどかからない

一般的にカーシェア事業者が、車両の手配や、精算機や看板などの設備設置を行うため、土地のオーナーは大きな負担がなく、カーシェア事業をスタートできます。

ただし、カーシェア設置予定の土地に、取り壊し予定の建物がある場合、撤去費用はオーナー負担となります。

更地の場合は、相談内容次第ですぐにカーシェアを始められます。

お客さまの利便性が向上する

商業施設やホテルの一角や、マンションやアパートの空きスペースに設置した場合、お客さま(入居者)の利便性が上がり、満足度向上につながります。

商業施設の場合、お客さまの「ついで買い」を誘い、集客力の向上にもつながるため、他商業施設と差別化を図れます。

マンションやアパートの場合、オプションにカーシェアをつけることで、入居者募集の際のアピールポイントとして活用できます。

また、カーシェアの収入を、建物の借入金の返済に当てられるため、月々の支出を抑えられるのも嬉しいポイントです。

4.カーシェアを設置する3つのデメリット・注意点

カーシェアは、土地の有効活用や収益化に役立つ一方で、設置する際には注意すべきデメリットがあります。

本章では、カーシェアを設置する際に考慮すべき3つのポイントを紹介します。

違約金が発生するケースがある

カーシェアを解約する場合、違約金が発生する場合があるため、事前に契約内容を確認しておくことが大切です。

例えば、大手カーシェア事業者の契約では、初回契約は2年更新、2回目以降は1年更新となっていますが、契約期間内に以下の条件で解約する場合、違約金が発生します。

  • 予告期間(書面にて予告)が3ヶ月未満の場合
  • 初回契約期間内の解約の場合

契約時にこれらの条件を把握しておかないと、解約時に予期せぬ費用負担が発生する可能性があるため、注意が必要です。

敷地内の人の出入りが増える

カーシェアを設置すると、敷地内の人の出入りが増えるため、治安や騒音などの問題が発生する可能性があります。

特に、住宅街やマンションの駐車場に設置する場合、入居者から「知らない人が出入りするのが不安」「深夜の利用がうるさい」などのクレームが寄せられる場合があります。

管理人や監視カメラを設置するなどの対策を講じることで、リスクを軽減できますが、事前に周囲の環境を考慮した上で、設置を検討することが望ましいです。

そもそもカーシェアの設置が難しい場所がある

カーシェアを設置する場合、カーシェア事業者の設置条件を満たす必要があります。

【カーシェア設置条件(※)】

  • 車両登録(車庫証明取得)が可能な駐車場であること
  • 平面駐車場、もしくは立体駐車場であること
  • 路面にステッカーやスタンド看板の設置が可能であること
  • マンションの場合、セキュリティエリア外であること
  • 携帯キャリアの4G電波がつながる場所であること  など

※カーシェア事業者によって異なります。

上記に加え、そもそもカーシェアの募集がないエリアでは、設置が難しい場合があります。

利用者数が少ないエリアや、出入り口が制限されている駐車場では、利便性が低下し、思うように稼働しないケースもあるため、立地条件を見極めることが重要です。

5.カーシェア事業を始める流れ

この章では、カーシェア事業を始める流れについて分かりやすく解説します。

カーシェアの設置までには5つのステップがあります。

【カーシェアを設置するまでの5ステップ】

  • 問い合わせ、土地活用相談
  • カーシェア事業者による周辺環境の調査
  • カーシェアプランの提案と契約
  • 車両の手配、関連設備の設置
  • サービス開始

まず、 カーシェアの設置を検討している場合は、カーシェア事業者のお問い合わせページから連絡し、担当者と相談の機会を作りましょう。

その後、事業者が直接現地に赴き、区画の安全基準や周辺道路状況を調査したのち、最適なカーシェアプランが提示されます。

提示されたプランの中から、希望や駐車場の条件に合うものを選び、契約を進めます。

この時、契約後のトラブルを防ぐため、不明な点は事前に解決しておきましょう。

契約完了後、車両の手配が始まり、駐車場で看板などの設置工事が行われます。(目安期間:約1ヶ月)

この期間中、オーナー側で事前に宣伝の準備(オンライン掲載やチラシ作成など)を行うと、スムーズに利用者を集められます。

駐車場への車両の配置が完了次第 、サービスの提供が開始されます。

繁忙期などはスケジュールが前後することもあるため、事前に車両の配置時期を確認しておくと安心です。

6.カーシェア設置の主なサービス

国内には複数のカーシェアサービスがあり、それぞれ特徴が異なります。

ここでは、代表的なカーシェアサービスを紹介します。

カーシェアで土地の有効活用を考えている方や、すでに駐車場経営やマンション経営をしているオーナーの方は、希望や条件にあったカーシェアサービスがあれば検討材料として役立ててください。

タイムズのカーシェア|タイムズカー

タイムズカーは国内最大級のカーシェアサービスで、全国47都道府県に20,676箇所のステーションを展開しています。(2024年12月時点)

初期費用がかからず1台から設置可能で、カーシェア開始後の光熱費などもすべてタイムズが負担するため、ランニングコストがかからない点がメリットの1つです。

万が一、トラブルが起きた際は、24時間365日でコンタクトセンターが窓口対応し、緊急時はスタッフが現地に急行する体制が整えられています。

特に、都市部では高い利用率が期待でき、安定した収益につながるでしょう。

参考:カーシェアを設置しませんか?(タイムズカー)

HondaのカーシェアEveryGo

HondaのカーシェアEveryGo(ホンダエブリゴー)は、Hondaが提供するカーシェアサービスで、Honda車を使用しているのが特徴の1つです。

EveryGoは、利用者にとって「Hondaの最新車両に乗れる」「ペットと一緒に乗れる」という点が好評で、利用者数が増えています。

同時にステーション数も増えており、ほかの主要カーシェアサービスの増減率が、マイナス1.8〜8.3%であるのに対し、EveryGoの増減率は約33%と、大幅にアップしています。(2024年10〜12月時点)

EveryGo は、車内整備や清掃、トラブルなどの対応も24時間365日無料で対応してくれるため、安心してカーシェアを設置可能です。

また、初期費用がかからず1台から設置可能です。

ただし、現在の設置可能エリアは、東京、大阪、神奈川、福岡、愛知の5都府県に限られます。

参考:【オーナー様向け】駐車場への導入(HondaのカーシェアEveryGo)

オリックスカーシェア

オリックスカーシェアは、カーシェアリングのパイオニア的存在で、2002年に日本で初めてカーシェアリング事業を始めた会社です。

ステーション数約1,600箇所、車両台数約2,600台の導入実績があり、設置費用不要で1台からカーシェアサービスを開始できます。(2024年3月時点)

駐車場内での事故などの車両トラブルは、オリックスカーシェアが対応してくれるため、オーナーが対応する手間が省けます。

また、事故が発生した際は、対人・対物・車両・人身障害の保証が含まれた保険にて対応してくれます。

現在の募集エリアは、東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・大阪・京都・兵庫の6都府県です。

参考:駐車場・土地の有効活用(オリックスカーシェア)

7.まとめ|カーシェアを設置することで土地の有効活用ができる

本記事では、カーシェア事業の収益性やメリット・デメリット、事業モデル、事業を始める流れなどについて紹介しました。

都市部や交通の利便性が高いエリアでは、カーシェアの需要が増えており、安定した収益が期待できます。

ただし、立地や周囲の環境次第では、見込んでいた収益に届かないケースや、維持管理の手間がかかるデメリットがあることは把握しておきましょう。

そのため、運営会社の選定やエリアの市場調査をしっかり行う必要があります。

カーシェアは、利用者が1人増えると、「ブナの木を1年間に189本植えた場合のCO2削減効果がある」と言われています。

環境問題への取り組みや、若者の車離れが注目される現代において、カーシェア事業は利用者やオーナーにとって相性が良いサービスと言えるでしょう。

土地の有効活用を考えている方は、本記事の内容を参考に、カーシェア事業の導入を検討してみてください。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求し、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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