アルコール使用のチョコレートは飲酒運転の危険性あり|分解時間やチョコ以外の食品も解説

アルコール入りチョコレートは、食べるタイミングや量によっては、飲酒運転と判断される可能性があるため注意が必要です。
また、アルコールの分解速度には個人差があり、摂取後すぐにアルコールの影響を受ける場合があります。
そこで本記事では、アルコール入りのチョコレートによる飲酒運転の危険性や、チョコレートに含まれるアルコールの分解時間について解説します。
チョコレート以外にも気をつけるべき食品を紹介しますので、体調に影響を与えやすい食品を理解し、安全運転を心がけましょう。
目次 / このページでわかること
1.飲酒運転の定義|酒気帯び運転と酒酔い運転
アルコール入りチョコレートは、摂取後すぐにアルコールが検出されることがあるため、運転前の摂取は注意が必要です。
飲酒運転に該当する場合、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」のどちらかに該当し、それぞれ定義や罰則内容が異なります。
そこで本章では、「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の定義と罰則内容について解説します。
酒気帯び運転の定義と罰則内容
酒気帯び運転とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転することを指します。
酒気帯び運転の罰則内容は、呼気中のアルコール濃度に応じて2種類に分けられます。詳しい罰則内容は以下のとおりです。
種別 | 刑事罰 | 行政罰 |
---|---|---|
酒気帯び運転① 呼気中アルコール濃度0.15mg以上0.25mg未満 |
3年以下の懲役または50万円以下の罰金 | ・違反点数13点 ・免許停止(停止期間90日) |
酒気帯び運転② 呼気中アルコール濃度0.25mg以上 |
・違反点数25点 ・免許取消(※欠格期間2年) |
※欠格期間とは、免許取消処分を受けてから運転免許が取得できない期間。
呼気中アルコール濃度が0.15mg未満でも、飲酒運転だと判断されるケースがあります。
「アルコール濃度が低ければ、飲酒運転にならない」というわけではないため、運転前のアルコール摂取は控えましょう。
酒酔い運転の定義と罰則内容
酒酔い運転とは、呼気中アルコール濃度に関係なく、アルコールの影響で正常な運転ができないおそれがある状態で運転することを指します。
酒酔い運転の罰則内容は以下のとおりです。
種別 | 刑事罰 | 行政罰 |
---|---|---|
酒酔い運転 | 5年以下の懲役または100万円以下の罰金 | ・違反点数35点 ・免許取消(※欠格期間3年) |
※欠格期間とは、免許取消処分を受けてから運転免許が取得できない期間。
呼気中アルコール濃度が0.15mg未満でも、ろれつが回らない・直線をまっすぐ歩けないなどの酩酊の特徴がある場合、酒酔い運転に該当するため、お酒に弱い体質の方は注意が必要です。
関連記事:『飲酒運転の概要と現状について|罰則と行政処分・防止するためにできること』
参考:飲酒運転の罰則等|警視庁
2.アルコール入りチョコレートは飲酒運転の危険性あり
アルコール入りチョコレートは、摂取量次第で酒気帯び運転と判断される可能性があります。
また、食べた直後は一時的にアルコールが検出されるケースがあるため、運転前に安全運転ができる状態か確認することが大切です。
そこで本章では、アルコール入りチョコレートの飲酒運転のリスクについて解説します。
少量摂取であれば違反の可能性は低くなる?
呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上の場合、酒気帯び運転に該当します。
血中アルコール濃度に換算すると0.3mg/mL(0.03%)となり、お酒の量で考えると、ビール中瓶1本、日本酒1合、酎ハイロング缶1本に相当します。
たとえば、ビール(度数5%)中瓶1本、日本酒(度数15%)1合、酎ハイ(度数5%)ロング缶1本に含まれる純アルコール量は約20gです。
仮に、1粒(重さ6g)の市販のアルコール入りチョコレート(度数3%)を摂取した場合、摂取する純アルコール量は0.14gと計算できます。
単純計算で、1粒6g(度数3%)のアルコール入りチョコレートを約143個食べると、酒気帯び運転の基準値(呼気中アルコール濃度0.15mg/L)に達すると考えられます。しかし、アルコールの吸収速度や分解能力には個人差があり、食べるタイミングや体調によっては、少量でもアルコールが検出される場合があるため注意が必要です。
また、中にはお酒をそのまま閉じ込めたチョコレートや、アルコール度数が8%を超えるチョコレートがあるため、摂取した際は一時的に呼気中アルコール濃度が上昇し、アルコールチェッカーが反応する場合があります。
食べた直後は要注意
アルコール入りチョコレートを食べた直後は、一時的に呼気中アルコール濃度が上昇するため、飲酒運転に該当する可能性があります。
また、空腹時に食べると、アルコールが吸収されやすいため、アルコールによる体調の変化を感じる場合があるでしょう。
運転前にアルコール入りチョコレートを食べる時は、飲酒運転のリスクを避けるため、運転するまでの時間を十分にあけましょう。
体質によっては酔いが回る可能性もある
数個の摂取であれば、飲酒運転になる可能性は低いですが、体格や体質によってはアルコールが体内に長く残る場合があります。
また、お酒に弱い方の場合、顔が赤くなったり、ぼーっとしたりするなど体調に変化が出ます。
車の運転においては、瞬発的な判断が求められます。重大な事故を未然に防ぐために、アルコール入りチョコレートを食べた直後の運転は控えましょう。
3.アルコールの分解時間の目安
アルコールが体内で分解される時間は、摂取量や体質によって多少異なりますが、一般的な目安を知っておくことが重要です。
そこで本章では、アルコールの分解時間の目安を知るために必要な「アルコールの1単位」について解説するとともに、体質別のアルコール分解時間の目安について紹介します。
アルコールの1単位とは?
「アルコールの1単位」とは、純アルコール量20gを基準とした飲酒量の目安です。これは、飲酒時の適量を示す指標として広く用いられています。
先述のとおり、たとえばアルコール入りチョコレート(1粒6g、度数3%)で1単位(純アルコール20g相当)を摂取するには、約143個食べる計算になります。ただし、アルコールの吸収速度や体質によって影響が異なるため、少量でも体に影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。
アルコール1単位をお酒に換算すると、以下の量に相当します。
お酒の種類 | アルコール度数 | 本数 | 量(ml) |
---|---|---|---|
ビール | 5% | 中瓶1本/ロング缶1本 | 500ml |
日本酒 | 15% | 1合 | 180ml |
缶酎ハイ | 5% | ロング缶1本 | 500ml |
1単位を基準にし、飲酒量に応じて適切な時間を確保することが重要です。
では、1単位のアルコールを分解するには、何時間必要なのでしょうか?次の項目で詳しく解説します。
1単位のアルコールが分解される目安は3〜5時間(男女差・個人差あり)
体重60kgの成人男性が1単位(純アルコール20g相当)のお酒を飲んだ場合、アルコールは約3〜4時間で分解されると考えられています。
また、女性は男性よりもアルコール分解が遅く、同じ1単位でも4〜5時間ほどかかるとされています。
2単位のお酒は、男性で約6〜7時間、女性では8〜10時間、3単位では半日以上かかる可能性があります。
なお、睡眠中はアルコールの分解が遅くなると言われており、さらに体調や体重によっても分解時間は変化します。
体質によって分解時間は多少異なる
アルコールの分解時間は、体質、体重、年齢、性別によって多少異なります。
1単位のアルコールの分解時間は、お酒を飲める体質の男性は約4時間、女性や高齢者、お酒に弱い人は約5時間とされています。
お酒に弱い人の場合、アルコールの分解過程で発生する毒性物質「アセトアルデヒド」の分解能力が低いと考えられています。
アセトアルデヒドは、頭痛や吐き気、めまいなどの不快な症状を引き起こす原因物質です。
アジア人は遺伝的にアセトアルデヒドの分解能力が低い、もしくは分解できない人が多いとされています。
自分のアルコール耐性が気になる方は、アルコール体質検査を受けてみるのも1つの方法です。
最近では、病院や専門機関以外でも、自宅で手軽にアルコール遺伝子検査を受けられるサービスが登場しています。
以下の関連記事では、実際にキットを使用したアルコール体質検査を受けた従業員の体験談を紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてください。
関連記事:『【体験談】アルコール体質検査を体験|適切な飲酒量を把握して上手に付き合おう』
4.チョコレート以外のアルコール入り食品
アルコールを含んだ食品は、チョコレート以外にもたくさん流通しています。
以下の食べ物・飲み物はアルコールを含む(一部アルコールを含んでいるものもある)ため、運転直前の摂取を控えるように心がけましょう。
【食べ物】
奈良漬け、粕漬け、キムチ、酒粕、塩辛、蒸しパン、あんパン、味噌汁、粕汁、ミント系のガム、タブレット、洋酒入りの菓子(レーズンサンド、パウンドケーキ、チョコレート)など
【飲み物】
甘酒、栄養ドリンク、エナジードリンク、ブラックコーヒー、ノンアルコール飲料、清涼飲料水など
味噌やパンなどの発酵食品は、製造段階で発生する微量なアルコールが検出される場合があります。
また、ノンアルコール飲料と表示されているドリンクでも、わずかにアルコールを含んでいる可能性があるため、体質的にお酒に弱い方は顔が赤くなったりするなど、酔いが回る場合があります。
摂取したアルコール量はわずかでも、呼気中のアルコール濃度が基準値を超える可能性があるため、運転前の摂取は控えるようにしましょう。
関連記事:『粕汁のアルコール度数は?飲酒運転になってしまう可能性と妊婦や子どもへの影響について』
『甘酒はアルコールありなしの2種類|飲酒運転にならないように注意するポイントを解説
5.アルコール入り食品を食べる時の注意点
アルコール入りチョコレートなど、微量でもアルコールを含む食品の摂取は、飲酒運転に該当する可能性があるため、注意が必要です。
そこで本章では、飲酒運転を未然に防ぐための注意点について解説します。
運転前の摂取は控える
アルコール入りチョコレートや発酵食品は、少量のアルコールを含むため、精度が高いアルコールチェッカーで計測すると、アルコールを検出する場合があります。
警察による取り締まりや、飲酒検問でアルコールが検出された場合、免許停止や罰則の対象となります。
呼気中アルコール濃度が0.15mg/L未満の場合、罰則などは発生しませんが、酒気を帯びている状態なので、警察から厳重注意を受けます。
飲酒運転の取り締まりは年々強化されているため、運転前にアルコールが検出されやすい食品の摂取は控えるように気をつけましょう。
摂取した場合はアルコールチェッカーで計測する
アルコール入りチョコレートや発酵食品を摂取した後に運転する場合は、アルコールチェッカーで検査しましょう。
アルコールが検出された場合は、コップ1杯の水を飲んだり、水でうがいを行ったりすることがおすすめです。
精度が高いアルコールチェッカーの場合、食品以外にも反応する場合があります。測定結果に影響を与える原因は以下のとおりです。
- 糖尿病など腸からガスが発生している
- 空腹時などで雑ガスが発生している
- 消臭剤、芳香剤、掃除用クリーナーが近くにある
- 飲み薬やサプリメントを服用・摂取している
- 歯磨き粉やタブレットなど口腔ケアを直前に行っている
- センサー部分に付着物がある、など
「アルコールが検出されて運転できない!」という事態を防ぐために、測定30分前の飲食や、上記項目に該当する行動を控えるように注意しましょう。
6.アルコールチェッカーが反応した場合の対処法
前述のとおり、運転前にアルコール入りチョコレートを摂取した場合や口腔ケアを行った場合、アルコールチェッカーが反応する可能性があります。
その際は、以下の方法で対処しましょう。
- 真水でうがいする
- 水や白湯をコップ1杯以上飲む
- マウスピースを付けている場合は洗浄する
- 消臭剤、芳香剤などアルコール成分を含む製品の側で計測しない
- タバコの煙がない場所で計測する
上記の方法を試しても改善しない、長時間アルコール反応が出る場合は、センサー部分の付着物や故障による原因が考えられます。
メーカーに問い合わせて、洗浄や修理依頼を行いましょう。
パイ・アールのアルコールチェッカーは、商品発送から1ヶ月以内に、初期不良と判断された不具合品は、無償にて交換を行なっています。
毎年のメンテナンスも無償で行なっているため、ランニングコストを抑えることが可能です。
また、クラウド型アルコールチェッカー「アルキラーNEX」は、クラウド管理システムと連動し、アルコール測定結果の自動入力、購入時期の管理、不正防止対策などが備わっているため、法令遵守を徹底することが可能です。
検知者や管理者の業務負担が少なく、サポート体制も整っているので、幅広いお客様におすすめの業務用アルコールチェッカーです。
7.まとめ|運転前のアルコール入りチョコレートの摂取は控えよう
本記事では、アルコール入りチョコレートの飲酒運転の危険性や、飲酒運転の定義、罰則内容、チョコレート以外のアルコール入り食品について解説しました。
アルコール入りチョコレートは、微量ながらもアルコールを含むため、摂取後すぐに運転すると、酒気帯び運転に該当する可能性があります。
また、体質によっては、少量のアルコールでも酔いが回り、運転に悪影響を及ぼすこともあります。
運転前にはアルコール入り食品の摂取を控え、万が一の場合に備えてアルコールチェッカーで確認する習慣をつけましょう。