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【実験】お酒以外でアルコール反応が出るのか?アルコールチェッカーを使用した検証結果

飲酒していないにもかかわらず、アルコールチェックをした際にアルコール反応が出てしまい困った経験はありませんか?

実は、飲酒していなくてもアルコール反応が出てしまうことはあります。
弊社ではお酒以外の商品を摂取し、アルコールチェッカーで計測した実験結果をふまえて以下を解説します。

  • ・アルコールチェッカーがアルコールを検出する仕組み
  • ・アルコールが検出される可能性があるもの
  • ・アルコール反応が出てしまった場合の対処法

アルコール検知器協議会で認定されているアルコールチェッカーを販売している弊社が、専門的な知見から実験結果を考察します。ぜひ参考にしてください。

1.アルコールチェッカーがアルコールを検出する仕組み

パイ・アール製品「アルキラーNEX」「アルキラーPlus」

アルコールチェッカーに息を吹きかけるだけで、なぜアルコールを検知することができるのか皆さんはご存じでしょうか?

本章では、アルコールチェッカーがアルコールを検知する理由について説明します。

呼気でアルコールが検知できる理由

まずはじめに、なぜ呼気でアルコールを検知することができるのかについて説明します。

アルコールを摂取した際、アルコールの20%は胃から吸収されますが、80%は小腸で吸収されます。その後、吸収されたアルコールの大部分が肝臓で分解されます。分解しきれないアルコールは血液と共に全身をめぐり再度肝臓に戻り分解されます。その際、血中に入って肺に巡ってきたアルコールの一部が呼気として体外へ排出されるため、呼気中にもアルコールが含まれるのです。
そしてアルコール検知器は、呼気中に含まれるアルコールをセンサーにより検知し測定することでアルコール検知を行います。

アルコールチェッカーに使用される2種類のセンサー

アルコール検知器は呼気中に含まれるアルコールをセンサーにより検知することで測定すると説明しましたが、その「センサー」にはどのような種類があるのか弊社製品を挙げて紹介します。大きく分けて以下の2種類があります。

  • ・電気化学式
  • ・半導体式

それぞれの特徴を表にまとめました。

 

電気化学式

半導体式

アルコール検知器

アルキラーPlus

アルキラーNEX

検知原理発生する電流値の変化を利用呼気中に含まれるアルコール成分との反応で発生する電気抵抗値の変化を利用
メリット体内で発生する物質の干渉が少ない(ケトン体など)・コストが安い
・低濃度ガス感度が高い
デメリットコストが高い体内で発生する物質から干渉を受ける場合が稀にある(ケトン体など)

どちらのセンサーにもメリット、デメリットはありますので運用に沿って使い分ける必要があります。

関連記事:『知っておくべきアルコールチェッカーの仕組みや違い

2.お酒じゃないのにアルコールが検出される可能性があるものリスト18選

お酒ではないがアルコールが検出される可能性があるものや、弊社のアルコールチェッカーをご利用中のお客様よりアルコール反応が出たとお声があった商品を実際に摂取し、アルコールチェッカーを使用し検証を行いました。

今回挙げたのは下記の商品です。

部類商品名選出理由
飲料類ノンアルコールビールノンアルコールは本当に検出されないのか確認のため
コーヒーブラックカフェインが含まれているものは反応が出やすいと言われているため
エナジードリンクカフェインが含まれているものは反応が出やすいと言われているため
紅茶カフェインが含まれているものは反応が出やすいと言われているため
味噌汁(生味噌)味噌は発酵食品であるため
栄養ドリンク成分表示にアルコール表示があったため
食品蒸しパン発酵食品は反応が出やすいと言われているため
キムチ発酵食品は反応が出やすいと言われているため
パン(天然酵母)パン酵母がアルコールを発生させることがあるため
ラムレーズンラム酒につけているため
ゼリー(桃入り)成分表示に洋酒が入っていたため
ジャムフルーツを漬ける際にアルコールを使用しているケースがあるため
シュークリームバニラビーンズが反応を示す可能性があるため
フリスク口腔ケア用品を使用後、反応が出る可能性が高いため
ガム口腔ケア用品を使用後、反応が出る可能性が高いため
たばこ電子タバコ口腔内に残った一酸化炭素の影響で反応が出る可能性があるため
紙たばこ口腔内に残った一酸化炭素の影響で反応が出る可能性があるため
その他歯磨き出勤時など歯を磨いてから検知することもあるため

関連記事:『未飲酒でもアルコールチェッカーが反応してしまう?7つの原因や対処法を解説

3.アルコール反応を確認する準備と実験の概要

アルコール反応を確認するための手順や条件などの実験の概要、使用したアルコールチェッカーについて説明します。

実験の概要|手順と実験の条件について

今回行った「アルコール反応を確認する」実験の手順と条件を紹介します。

実験の手順

  • ・対象の商品を購入し、同じ分量を摂取
  • ・摂取した直後、5分後に検知(直後に反応があった場合は10分後も検知)

実験の条件

  • ・同じ商品・分量で検証
  • ・3名(A・B・C)が実施
  • ・10分以内に摂取する

上記の手順に沿って計19品目実験いたしました。

実験に使用したアルコールチェッカー

今回の実験には弊社の製品であるアルコールチェッカー2種類を使用しました。実験に使用したアルコールチェッカーについて紹介します。

アルキラーNEX

スマートフォンとアルコールチェッカーをBluetoothで接続し、アルコール検知を行うタイプのアルコールチェッカーです。半導体式ガスセンサー式を採用のアルコールチェッカーで日本製センサーを用いておりJ-BAC(アルコール検知器協議会)の認定機器になります。使用上限回数は2,500回で、出先または固定場所での使用が可能なアルコールチェッカーです。

参考:アルキラーNEX製品情報

アルキラーPlus

電気化学式ガスセンサー採用のアルコールチェッカーで、使用上限回数が10,000回のため固定場所で複数人の使用が可能な据置型タイプのアルコールチェッカーです。アルキラーPlusについても、J-BAC(アルコール検知器協議会)の認定機器になります。

参考:アルキラーPlus製品情報

どのようにアルコールの反応を確認したのか

アルコール反応の確認については対象商品を摂取した直後、5分後、10分後にアルコール検知を行いアルコール濃度の計測を行いました。5分後に0が確認された場合はその時点で実験終了としました。

次の章で具体的な実験結果を紹介します。

4.【実験結果】お酒以外でアルコール反応が出るのか?

アルコールチェッカー「アルキラーNEX」「アルキラーPlus」を使用して行った実験は、下記のような結果となりました。

▼お酒以外でアルコール反応が出るか実験した結果

お酒以外でアルコール反応が出るか「アルキラーNEX」「アルキラーPlus」を使用した実験結果を示した図

5.実験結果を踏まえた考察

今回、「アルコール反応が出てしまう」と多く声をいただく商品を複数実験した結果、基本的にアルコール反応が出ることは多くありませんでした。

味噌汁やキムチなどの一部の発酵食品は、実験した全員からアルコール反応が出ました。また、3人実験した中で1人だけがアルコール反応が出るような商品もありました。

ただ今回の実験では、いずれの商品も5分後に検知した際にはアルコールは検知されませんでした。
この事から個人差はありますが、基本的に食品によってアルコールが検知されたとしても時間を置いたり、水で口をゆすぐことによって食品による誤反応は改善されると考えられます。

6.アルコール反応についてのQ&A

本章ではアルコール反応について、お客様よりよくいただく質問について紹介します。

  • お酒以外でアルコールの反応が出た場合罰則の対象になる?

    アルコールを摂取していない状態でアルコール反応が出てしまった場合でも、アルコール反応が出ていることに代わりはないので罰則の対象となります。ただ実験からもわかるとおり、基本的に食品などによってアルコール反応が出てしまった場合は少し時間を置いたり、口をゆすぐなどの対応でアルコール反応が出なくなります。アルコール反応がないことを確認した上で運転を行うようにしましょう。

  • アルコールチェッカーの故障や不具合で反応が出ることもある?

    アルコール検知器にはセンサーが入っています。センサー部分が劣化していたり汚れてしまっている際、正常に検知できないことがあります。
    また、アルコール検知器を使用するにあたって決められた使用回数、有効期限を過ぎて使用していると「常時有効な状態」で使用していないとみなされますので注意してください。

  • 正確にアルコールチェックをするために何ができる?

    正確にアルコールチェックをするためにできることについて3つ紹介します。

    ①食後、時間を置いてから検知する

    今回の結果からもわかるように、食品によりアルコール反応がでてしまった場合のほとんどが、5分ほど時間を置くと有反応が出ませんでした。
    ただアルコール反応が出続ける時間は性別や体格、体質などによって異なります。今回の実験では、ほとんどの人が5分ほどでアルコール反応がなくなりましたが、食事や喫煙の後は余裕を持って30分ほどは時間を空けるようにしましょう。

    ②検知する前にうがいをする

    アルコールチェックの前にうがいをすることで、アルコール反応の頻度を減らすことが可能です。また、検知の前に水や白湯をコップ1杯飲んでからアルコールチェックを行うようにしましょう。

    ③センサー部分の洗浄を行う

    アルコールチェッカーのセンサーの部分に汚れがたまってしまうと、正確に検知できない可能性があります。各メーカーに問い合わせをした上で洗浄することを推奨します。

7.まとめ

今回の実験より、食品からもアルコールの反応が見られる可能性があることが分かりました。アルコールを摂取していないとしてもアルコール反応が出てしまうと酒気帯び運転と同じように罰則の対象となってしまいます。

そのような誤反応がないように食事や喫煙のあとは

  • ①時間を空けた上でアルコールチェックを行う
  • ②口をゆすいでからアルコールチェックを行う

など工夫をするようにしてください。
アルコールチェックをする前には、上記のような対策を実施し誤反応を減らしていきましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求し、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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