自転車の飲酒運転で捕まった人はどうなる?実際の3つの事例を交えて解説
自転車での飲酒運転は違法行為になることは知っている方が多いのではないでしょうか。
2024年11月1日から道路交通法の改正により、自転車で酒気帯び運転をした場合も罰則の対象となりました。
自転車での飲酒運転は、場合によっては逮捕される可能性があります。
では、自転車での飲酒運転にはどのような罰則があるのでしょうか。
本記事では、以下の内容をアルコールチェッカーを開発・販売しているパイ・アールがわかりやすく解説します。
- 自転車での飲酒運転の罰則
- 自転車の飲酒運転で捕まったらどうなるのか?
- 実際に自転車の飲酒運転で捕まった人の事例
それぞれ解説しますのでぜひ最後までご覧いただき、飲酒運転の危険性をあらためて考える機会としてください。
目次 / このページでわかること
1.自転車も飲酒運転に該当する?
結論から述べますと、自転車も飲酒運転に該当します。
自転車は手軽な交通手段として幅広く利用されていますが、飲酒後に自転車に乗ることは大きなリスクがあります。
そもそも自転車は道路交通法で「軽車両」に分類されています。そのため、公道を走行する際には車両としてルールを遵守する義務が伴い、自動車と同様に飲酒運転は違法行為になるのです。
次の章で詳しく解説しますが自転車の飲酒運転には、罰金などの罰則や懲役などの厳しい刑罰が科される可能性があります。もしお酒を飲んだ場合は、公共交通機関やタクシーを利用するようにしましょう。
2.自転車で飲酒運転した場合の罰則は?
先ほど解説した通り、自転車で飲酒運転をした場合は厳しい罰則、時には厳しい刑罰が言い渡されることもあります。
また自動車による飲酒運転は、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分類されていて、自転車による飲酒運転も同様です。順番に解説します。
自転車で「酒酔い運転」をした場合
「酒酔い運転」は明確な数値の基準はないため、「会話が成立するか」「まっすぐ歩けるのか」などの確認が行われます。酒酔い運転は自転車を含む「軽車両」も罰則の対象になっています。「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が規定されているため、警察に見つかれば刑罰または罰則の対象になります。
自転車で「酒気帯び運転」をした場合
「酒酔い運転」と違い「酒気帯び運転」には数値の基準があります。酒気帯び運転は「呼気1リットル当たりのアルコール濃度が0.15mg以上、もしくは血液1ml当たりに0.3mg以上のアルコール濃度が検出されたとき」と規定されています。このような規定はありますが、「酒気帯び運転」に関しては「軽車両は除く」と定められていたため自転車は対象外で、具体的な罰則はありませんでした。
しかし、2024年11月1日から道路交通法の改正により、酒気帯び運転も罰則の対象となり「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。また、違反を繰り返した場合は自転車運転者講習の受講も義務となります。
自転車で飲酒運転をした際の罰則について、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
関連記事:『自転車で飲酒運転した場合の罰則は?免許停止や事故を起こした場合の対処について』
3.自転車の飲酒運転で捕まったらどうなる?実際の事例3選
前章で、自転車で飲酒運転をした場合の罰則について解説してきました。では、実際に自転車の飲酒運転で捕まった場合はどうなるのでしょうか。
実際に逮捕された事例や、停職処分を受けた事例もあります。本章では、自転車の飲酒運転の事例を3点挙げ、それぞれ解説します。
36歳の女性が基準値の6倍で逮捕
まずは36歳女性が、午前3時に自転車の飲酒運転で逮捕された事例を紹介します。
ある日、自転車が蛇行運転している姿をパトロール中の警察官が発見。声をかけたところ、女性はまともな受け答えができない状態になっており、前述の酒酔い運転に該当していることがわかりました。実際に基準値の6倍のアルコールが検出され逮捕に至りました。事故が起きなかったのは不幸中の幸いと言えるでしょう。
参考記事:Yahoo!ニュース「自転車の飲酒運転で女逮捕! 自転車ユーザーが気をつけるべきこと」
地方公務員支部長が自転車の飲酒運転で停職に
続いて、地方公務員の支部長が自転車の飲酒運転をした事例です。
この事件では飲酒後に自転車に乗って帰り、帰宅途中に怪我をしたということで、「地方公務員法で定めた信用失墜行為に当たる」として停職2か月の懲戒処分が科せられました。
この事例では歓送迎会後の帰りに飲酒運転として自転車に乗って帰ったことが原因です。飲酒後の自転車の運転は大変危険です。絶対にやめましょう。
参考記事:読売新聞オンライン「自転車を飲酒運転の市部長、停職2か月…「押して帰る」と言ったが乗って転倒し顔にケガ」
20代陸上自衛隊隊員が自転車を盗み飲酒運転で懲戒処分
最後に紹介するのは、陸上自衛隊隊員がお酒を飲んだ後、自転車を盗んで運転して帰った事により摘発された事例です。
「自転車で早く帰りたかった」という身勝手な理由で、自転車を盗んで飲酒運転をしたことで停職10日間の懲戒処分されています。
現役の陸上自衛隊員が摘発されたこともあり、大きな不祥事として取り上げられることとなりました。
参考記事:埼玉新聞「陸自朝霞駐屯地、3等陸曹を処分 盗んだ自転車で酒気帯び運転、検問中の警察官が摘発」
4.事例から考える自転車の飲酒運転を防ぐためにできること
前章では、自転車の飲酒運転で実際に捕まった事例を紹介してきました。では、事例のような自転車の飲酒運転を防ぐためには何ができるのでしょうか。
自転車の飲酒運転を防ぐためにできることを3つ紹介します。
お酒を飲んだら自転車は押して帰る
自転車に乗るという定義は、自転車で移動し操作することを言います。そのため、自転車を手押しで運ぶのは飲酒運転の適用範囲外としてみなされます。飲酒をしている状態なので、手押しで自転車を運ぶ際にも周囲の状況や安全に注意することがとても重要ですが、乗ってしまうことに比べるとリスクは非常に小さくなります。飲酒時に自転車で移動する際は、手押しで運ぶようにしましょう。
事前に帰る方法を考えておく
お酒を飲む予定がある際には、自転車に乗らず公共交通機関を利用することが望ましいです。タクシーや電車の利用、今は運転代行などもありますので、お酒を飲む際は事前に帰る方法を考えておく事がベストです。お酒を飲んだ後は、気が大きくなっていたり判断力が鈍っているので、あくまで飲む前に決めておくことが大切です。
そもそも自転車の時はお酒を飲まない
自転車を利用する際にはお酒を飲まないことが一番の飲酒運転を防ぐ方法です。お酒を飲まなければ、自身が起こす自転車による飲酒事故の可能性は0%になります。心のどこかで「自転車なら大丈夫」と考えていることがそもそもの原因なので、本記事の事例を心に留め、飲酒運転を絶対にしない、させないことを強い意志で心に決めましょう。
5.まとめ
本記事では「自転車の飲酒運転」で実際に逮捕されたり、処分を受けた事例を紹介しました。
自転車での飲酒運転で逮捕や処分までされるとは思わなかった方も多いのではないでしょうか。自転車であっても飲酒運転で事故を起こしてしまうと、事故の加害者になるリスクも増幅します。
自転車であってもお酒を飲む予定があるときは、公共交通機関を利用するなど、「飲んだら乗るな」を今一度再徹底していくことで、飲酒運転の危険性を考えていただければと思います。