【実験】飲酒後どのくらいの時間でアルコールが抜ける?アルコールチェッカーを用いて測定
飲酒したあとにアルコールチェックをすると反応が出るのは当たり前ですよね。
では飲酒後、どの程度時間をおいたらアルコールが分解されるかはご存じでしょうか?
- 「缶ビール1本であればすぐ抜ける」
- 「お酒に強いのですぐに抜けるだろう」
- 「寝れば抜けるだろう」
こういった考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に飲酒事故を起こした運転手も「アルコールは抜けていると思っていた」と話すケースが数多くあります。
本記事では実際にアルコールチェッカーを用いてアルコールが抜けるまでの時間を測定する実験を行い、測定結果を紹介します。
アルコールが抜ける時間について気になっている方はぜひご覧ください。
目次 / このページでわかること
1.アルコールが抜けるまでの時間を測定する実験の概要
アルコールが抜けるまでの時間を測定した実験の概要を解説します。
- ・5人の成人男性・成人女性で実験
- ・お酒の種類は5種類で実験
- ・飲酒後から数値が0.00になるまで一定の時間ごとに検知を実施
- ・電気化学式センサーを搭載したアルコールチェッカー「アルキラーPlus(AKL-001 / AKL-300)」を使用
それぞれの細かい概要も以下に記載します。
5種類のアルコール飲料(お酒)で実験を行う
今回、アルコールが抜けるまでの時間を測定するにあたって、以下の5種類のお酒で実験を行いました。
- 【お酒の種類】
- ①柚子レモンチューハイ(500ml)
- ②レモンチューハイ(500ml)
- ③ビール(500ml)
- ④ハイボール(500ml)
- ⑤赤ワイン(200ml)
※純アルコール量は約20gで統一
アルコール飲料ごとに、どのような変化の違いがあるのか確認していきましょう。
飲酒後の経過時間と測定タイミングについて
アルコールが抜けるまでの時間測定のタイミングは飲酒直後から測定を行いました。
- ・飲酒直後
- ・10分後
- ・30分後
- ・1時間後
- ・2時間後
- ・3時間後
※アルコール数値が「0.00mg/l」となった時点で、測定を停止しました
実験で使用したアルコールチェッカー
実験に使用したのは弊社パイ・アールのアルコールチェッカー「アルキラーPlus(AKL-001 / AKL-300)」(電気化学式センサー)です。
実験に参加した5人の性別と年齢について
アルコールが抜けるまでの時間測定の実験には、以下の5人が参加しました。
- ・Aさん 女性 26歳 160cm 45kg
- ・Bさん 女性 26歳 153cm 40kg
- ・Cさん 女性 29歳 163cm 48kg
- ・Dさん 女性 32歳 157cm 50kg
- ・Eさん 男性 28歳 170cm 60kg
アルコールが抜けるまでの時間は個人差があり、主に体質や体格が関係すると考えられています。
2.飲酒後、何時間でアルコールが抜けるのか?実験結果を紹介
実際にアルコール飲料を飲んで、抜けるまでの時間測定を行った結果を下記の表にまとめました。
Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | Eさん | |
---|---|---|---|---|---|
お酒の種類 | 柚子レモンチューハイ (5%) | 赤ワイン (12%) | ビール (5%) | ハイボール (5%) | レモン チューハイ (5%) |
飲酒量 | 500ml | 200ml | 500ml | 500ml | 500ml |
純アルコール量 | 20g | 19.2g | 20g | 20g | 20g |
飲酒直後 | 0.25mg/l | 0.25mg/l | 0.25mg/l | 0.25mg/l | 0.25mg/l |
10分後 | 0.16mg/l | 0.18mg/l | 0.05mg/l | 0.16mg/l | 0.13mg/l |
30分後 | 0.11mg/l | 0.18mg/l | 0.07mg/l | 0.20mg/l | 0.12mg/l |
1時間後 | 0.17mg/l | 0.12mg/l | 0.05mg/l | 0.15mg/l | 0.08mg/l |
2時間後 | 0.13mg/l | 0.00mg/l | 0.00mg/l | 0.10mg/l | 0.00mg/l |
3時間後 | 0.00mg/l | – | – | 0.00mg/l | – |
今回の実験では500ml(純アルコール量約20g)であれば、3時間後にはすべてアルコールの数値が0になるという結果でした(今回は実験のため、個人差があります)。
ちなみに、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/lで酒気帯び運転となります(0.15mg/L以下でも注意力、集中力が低下するので、数値を下回ったからといって運転して良いことにはなりません)。
BさんとCさん、Dさんでは10分から30分経った後でも数値が一緒、または上がるという結果になりました。
上記の結果から個人差はありますが、お酒を飲んでから2時間では500ml程度の少量であってもアルコールは抜けていない可能性が高い、ということが分かっていただけるかと思います。
■上記アルコールが抜けるまでの時間測定結果をグラフ化したもの
アルコールが抜けるまでの時間測定を行った所感
実験に参加した人は500mlの飲酒のため、1時間程度ではもう抜けていると感じる人が大多数でした。しかし、その後の検知で数値が上がっていくこともあり、体感と実際の数値とのギャップを感じる結果にもなりました。
これは実際の飲酒事故などの際に、「アルコールは体内から抜けていると思っていた」という供述する人が多いこととリンクしてくるのではないでしょうか。よって、自分が思っているよりもお酒は抜けずに残っていることを自覚することが大切です。当たり前ですが「飲んだら乗るな」を徹底することがあらためて重要であると実感しました。
※本記事内ではアルコールが抜ける時間の測定のため、飲酒直後にアルコールチェッカーを使用していますが、本来の使用方法ではありません。機器の故障につながるおそれがありますので、飲酒直後にアルコールチェッカーを意図的に使用することはお控えください。
3.飲酒後のアルコールが抜けるまでの一般的な目安時間は?
1単位(純アルコール量に換算して20g)のアルコールが抜けるまでの目安時間は体重60kgの方で4時間ほどかかるといわれています。
アルコールを早く抜くためには水を飲めば良い、と耳にしたことがある方もいると思います。
水は直接的にアルコールの分解に影響しませんが、アルコールと一緒に水を飲むことで胃への刺激を軽減したりアルコールを排出するための成分の生成に役立ちます。
しかし、水を飲んだからといってすぐに体内からアルコールが排出されるわけではありません。しつこいようですが、「飲んだら乗るな」は徹底しましょう。
アルコールの「1単位」を理解しておこう
1単位とは、アルコール摂取量の基準となる純アルコールに換算して20gを指します。
この数字はアルコール度数5度のビールやチューハイであれば500ml(ロング缶1本)、アルコール度数15度の日本酒であれば180ml(1合)に相当します。
1単位のアルコールが抜けるまでにかかる時間は4時間前後
アルコールが抜けるまでにかかる時間の目安を知り、飲みすぎを防ぐことで二日酔いをせず健康的にお酒を楽しむことへつながります。
そのためにも、1時間でアルコールを分解できる量の目安を求める計算方法があるのはご存じでしょうか?
計算方法やアルコールを早く抜く方法については以下の関連記事をご覧ください。
4.健康的にお酒を楽しむなら1日1単位がベスト
お酒を適量で楽しむ場合は、ストレスの発散や食欲増進など身体に良い影響をもたらすことがたくさんあります。
しかし、お酒の飲みすぎはアルコールを分解する肝臓に負担がかかるだけではなく、がんや脳卒中などの病気のリスクを高めてしまうこともあります。
アルコールを飲む際は1日1単位を目安に、休肝日を設けるなどをして飲みすぎないように健康的にお酒を楽しむことが大切です。
5.まとめ:アルコールの抜ける時間は個人差がある
体内でアルコールが分解されるまでにかかる時間は、体質・性別・年齢など個人差があります。
「計算で割り出した時間が過ぎたし、もう大丈夫!」という自分の感覚を過信せず、アルコールが抜けている客観的な証拠としてアルコールチェッカーを用いた飲酒検査を行うことがとても重要です。