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自転車で飲酒運転した場合の罰則は?免許停止や事故を起こした場合の対処について

近年、飲酒運転の取り締まりや罰則が強化され、2024年11月1日の道路交通法改正に伴い、自転車の飲酒運転には赤切符が交付されることになりました。

自転車は、通勤や通学、買い物などの日常的な移動手段として利用されており、街中ではレンタサイクルも頻繁に見かけるようになりました。

手軽に利用できる自転車ですが、飲酒運転をした場合には、具体的にどのような罰則が科されるのでしょうか?

本記事では自転車の飲酒運転に対する罰則や、事故を起こした場合の対処法や過失の割合などについて解説します。自転車の交通ルールを正しく理解して、安全運転を心がけましょう。

【青切符とは】
一時停止違反・駐車違反・30km/h未満(高速道路では40km/h未満)の速度違反などの交通違反点数6点以下の比較的軽い違反に対して交付。反則金を払えば刑罰を免れる。

【赤切符とは】
酒気帯び運転、無免許運転、速度超過違反(一般道30km/h以上、高速道40km/h以上)など、交通違反点数6点以上の重い違反に対して交付。罰金刑や免許停止・取り消しなどの行政処分・刑事処分の両方を受け、前科がつく可能性がある。

1.そもそも自転車も飲酒運転になる理由は?

自転車は免許不要で気軽に乗れる一方で、「お酒を飲んでいても車じゃないから大丈夫」と誤解されやすい乗り物でもあります。

しかし、道路交通法では、自転車は「軽車両」に位置づけられており、飲酒した状態で運転すれば、飲酒運転に該当します。

なぜ自転車でも飲酒運転とみなされるのかを理解するには、自転車の法的な位置づけと、道路交通法第65条で定められた「酒気帯び運転等の禁止」の内容を正しく理解することが重要です。

そこで本章では、自転車が車両扱いされる理由と、「どのような法律に基づいて飲酒運転が禁止されているのか」について整理します。

参考:交通安全情報 自転車の飲酒運転禁止強化(PDF)|警視庁

1-1 自転車は「車両」扱いである

自転車は道路交通法上「軽車両」に分類される車両の一種です。

歩行者と同じ感覚で扱われがちですが、法律上はあくまで「軽車両」として位置付けられているため、自動車やバイクと同じように、決められた交通ルールを守る義務があります。

そのため、自転車は「左側通行」「信号遵守」「夜間のライト点灯」「ながら運転禁止」など、車両としてのルールが適用されます。

運転免許こそ不要ですが、車両である以上、自動車と同様に飲酒した状態で自転車に乗れば、飲酒運転に該当します。

1-2 道路交通法第65条で禁止されている

道路交通法第65条には、自転車における「酒気帯び運転等の禁止」について記載があります。

  何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

  何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。

引用元:道路交通法 第65条(酒気帯び運転等の禁止)|e-Gov法令検索

ここでいう「車両等」には、自動車やバイクだけでなく、「軽車両」に分類される自転車も含まれます。

POINT

つまり「お酒を飲んで自転車に乗ること」自体が、法律上の禁止行為にあたるということです。

では、「軽車両」に分類される自転車で飲酒運転をした場合、具体的にどのような罰則が科されるのでしょうか。

次の章では、自転車で飲酒運転した場合の罰則について解説します。

2.自転車で飲酒運転した場合の罰則は?

自転車で飲酒運転をした場合、どのような罰則が科されるのでしょうか?

実は飲酒運転には、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2つの区分があり、それぞれ適用される罰則の内容が異なります。

そこで本章では、自転車で「酒酔い運転」をした場合と「酒気帯び運転」に分けて、具体的な罰則内容や判断基準を解説します。

2-1 自転車で「酒酔い運転」をした場合の罰則

まず、「酒酔い運転」をした場合の罰則についてです。

「酒酔い運転」は、アルコール濃度の数値に関わらず、アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態で運転することを言います。

明確な数値の基準はないため、「会話が成立するか」「まっすぐ歩けるか」といった運転者の状態から判断されます。

自転車は「軽車両」に含まれるため、お酒を飲んで運転した場合は罰則の対象となり、赤切符が交付されます。

参考:取締りについて|自転車ポータルサイト|警察庁

違反者には「5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」が科されます。

参考:飲酒運転の罰則等|警視庁

2-2 自転車で「酒気帯び運転」をした場合の罰則

次に「酒気帯び運転」をした場合の罰則についてです。

酒気帯び運転は酒酔い運転と違い、数値の基準があります。

酒気帯び運転は「呼気1リットル当たりのアルコール濃度が0.15mg以上、もしくは血液1ml当たりに0.3mg以上のアルコール濃度が検出されたとき」と規定されています。

従来は、道路交通法上「軽車両は除く」と定められていたため、自転車の酒気帯び運転は禁止されていたものの罰則はありませんでした。

しかし、2024年11月1日から酒気帯び運転は罰則の対象となり、赤切符が交付されることとなりました

違反者には、「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科されます。

POINT

自転車の酒気帯び運転は、罰則だけでなく怪我や事故のリスクも伴うため、お酒を飲んだ後の運転は絶対にやめましょう。

関連記事:『酒気帯び運転(飲酒運転)とは|基準や処分・罰則内容をわかりやすく解説

2-3【2024年5月17日】自転車違反に反則金|改正道路交通法成立

2024年5月17日、16歳以上の自転車の交通違反者に対して「反則金(いわゆる青切符)」を課せられるようにする改正道路交通法が参院本会議で可決・成立しました。

自転車における青切符とは、信号無視や一時不停止など、16歳以上の運転者が比較的軽微な違反をした際に交付される通知書の通称です。

「交通反則通告制度(青切符制度)」に則って交付され、青切符に記載された反則金を納付することで、刑事手続き(罰金刑や前科)を回避できます。

本改正のポイントは大きく2つです。

  • 一つ目は、赤切符の対象となる危険な運転(酒気帯び・酒酔い・妨害・悪質なながら運転)の厳罰化が進んだことです。
  • 二つ目は、比較的軽微な違反に対しても反則金を科す「交通反則通告制度(青切符制度)」が、新たに自転車へ拡大されたことです。

まず、赤切符が適用される酒気帯び運転や悪質なながら運転などの罰則は、2024年11月1日に施行されました。

違反を繰り返した場合、自転車運転者講習の受講を命令できるようになり、同年の6月28日からは今回の改正案に関するパブリックコメントも実施されています。

一方、自転車の青切符(交通反則通告制度)は、2026年4月1日から施行予定です。

16歳以上の運転者による比較的軽微な113種類程度の違反が対象となり、酒気帯び運転などの24種類は対象外です。反則金の額は原付バイクと同等に設定する方針となりました。

以下の関連記事では、青切符に該当する具体的な違反行為や反則金額について解説しています。あわせて参考にしてください。

関連記事:『【2026年4月1日施行】自転車の「青切符」とは?罰則・反則金・ケーススタディを元に解説

①取り締まり対象となる自転車の主な違反(赤切符)

自転車であっても、悪質・危険な運転は「赤切符」の対象となり、最初から刑事事件として扱われます。赤切符に該当する違反は以下のとおりです。

  • 酒酔い運転
  • 酒気帯び運転
  • あおりなどの妨害運転
  • スマホなどの使用で危険を生じさせた場合

特に、「ながらスマホ」と「酒気帯び運転」については、2024年11月から罰則が強化されました。

【運転中のながらスマホ】
違反者 6ヶ月以下の拘禁刑(旧懲役)又は10万円以下の罰金
交通の危険を生じさせた場合 1年以下の拘禁刑(旧懲役)又は30万円以下の罰金
【酒気帯び運転およびほう助】
違反者 3年以下の拘禁刑(旧懲役)又は50万円以下の罰金
自転車の提供者 3年以下の拘禁刑(旧懲役)又は50万円以下の罰金
酒類の提供者・同乗者 2年以下の拘禁刑(旧懲役)又は30万円以下の罰金
引用元:自転車に関する道路交通法の改正について|警視庁
POINT

2025年6月から、刑務作業の義務の有無で分類されていた、懲役刑と禁固刑が統合されて「拘禁刑」と呼ばれるようになりました。

自転車の酒気帯び運転は、自転車やお酒の提供者にも罰則が科される場合があります。

赤切符の対象となる行為は、自転車を運転する当人以外でも、重い罰則が科されることを覚えておきましょう。

②取り締まり対象となる自転車の主な違反(青切符)

2026年4月1日から「交通反則通告制度(通称:青切符)」が適用されます。交通違反に対する反則金について、詳しくは以下のとおりです。

【交通違反に対する反則金(青切符)】
ながら運転 12,000円
遮断機が下りた踏切立ち入り 7,000円
信号無視 6,000円
歩道通行・逆走
一時不停止 5,000円
制動装置不良(ブレーキが利かないなど)
無灯火
傘差し・イヤホンで音楽
並んで走行・2人乗り 3,000円

参考:自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用について|大阪府警察

青切符の対象は、あくまで比較的軽微な違反です。酒気帯び運転や酒酔い運転、悪質なあおり運転などは青切符ではなく、赤切符の対象となります。

兵庫県警は、施行前に一足早く自転車の飲酒検問を行いました。飲酒検問では、自転車の利用者にアルコール検知器を使用した検査が行われたほか、新しい罰則が書かれたチラシが配られ、厳罰化の周知と危険性を訴えていました。

参考:11月から自転車の「ながらスマホ」「飲酒運転」が厳罰化 一斉検問実施|サンテレビNEWS

また、2024年11月1日に施行された道路交通法の改正では、ペダル付き原動機付自転車「モペット」について、エンジンやモーターを止めてペダルだけで走行した場合でも、原付バイクの扱いとなることも明文化されました。

モペットの車両区分や違反時の罰則について、下記の関連記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『モペットは自転車ではない|取締り強化の背景と罰則・罰金について解説

参考:
改正道交法施行「ながら自転車」や酒気帯び厳罰化「モペット」ルール明確化|産経ニュース
道路交通法 第2条第1項第17号|e-Gov法令検索

3.自転車の飲酒運転で事故を起こした際の過失の割合について

自転車の飲酒運転で事故を起こした場合、過失の割合はどうなるのでしょうか?

飲酒が原因による事故は、飲酒していた側に通常の事故よりも重い責任が上乗せされるのが一般的です。

本章では、事故相手が「歩行者」「自転車」「自動車」の場合に、自転車側の飲酒が過失割合にどのような影響を与えるのかを解説します。

3-1 自転車と歩行者で事故を起こした場合

自転車と歩行者の事故は、自転車側が未飲酒でも、自転車の過失の割合が大きくなる可能性が非常に高いです。

急な飛び出しやその他の要素により、歩行者にも過失加算がされることもありますが、自転車側が未飲酒でも、横断歩道上の事故の場合、基本的な歩行者の過失割合は0%、自転車が100%とされています。

上記の要素に加え、酒気帯び運転には10%、酒酔い運転には20%が加算されます。

POINT

賠償金額は、被害の程度によって数十万から数千万以上になることも。日頃から安全運転を徹底しましょう。

3-2 自転車と自転車で事故を起こした場合

自転車同士の事故は、未飲酒の場合、正面衝突事故であれば過失割合は「50% 対 50%」になります。

実際には、事故当時の信号や交差点の条件、一時停止の有無などが加算されます。

上記の要素に加え、酒気帯び運転には10%、酒酔い運転には20%が加算されます。

3-3 自転車と自動車で事故を起こした場合

自転車で自動車と事故を起こした場合、自動車の過失割合が高くなる傾向にあります。

自転車は自動車よりも大怪我をする危険性が高いため、被害者保護のために割合が低く設定されています。

しかし、自転車が飲酒していた場合は重大な過失と認められ、酒気帯び運転には10%、酒酔い運転には20%が加算されます。

基本的な過失割合が0%の事故であっても、10%~20%過失割合が加算される可能性はあります。

4.自転車の飲酒運転で事故を起こした場合の対処方法

自転車の飲酒運転は、本来「絶対にしてはいけない行為」ですが、万が一、事故を起こしてしまった場合、その後の対応を誤ると、刑事・民事の両面で不利になるおそれがあります。

ここでは、自分が加害者になってしまった場合と、被害者として巻き込まれてしまった場合に分けて、警察への連絡、保険会社や弁護士への相談など、押さえておきたい対処方法について解説します。

4-1 加害者になった場合は弁護士に相談する

自転車での飲酒運転で事故を起こした場合、飲酒運転による罰則だけでなく、他の道路交通法違反にも問われる可能性があります。

同時に、被害者への損害賠償や示談交渉にも対応しなければなりません。

自動車保険等の「個人賠償責任保険」や示談交渉サービス付きの自転車保険に加入している場合は、保険会社に被害者との交渉を任せることができますが、加入していない場合は自分で交渉する必要があります。

飲酒運転が原因の交通事故の場合、当然ですが通常の事故よりも飲酒運転者側への評価が厳しくなりやすく、当事者だけで冷静に話し合いをするのは容易ではありません。

できるだけ早い段階で、交通事故に詳しい弁護士へ相談しましょう。

4-2 被害者になった場合は警察へ連絡を

飲酒の自転車事故に巻き込まれた場合は、その場で必ず警察に通報し、加入している保険会社にも連絡しましょう。

過失割合は、過去の判例や事故状況を踏まえて決められますが、その結果によって、受け取れる賠償金額が大きく変わります。安易に示談に応じたり、「大したことはないから」と妥協したりするのは避けたほうが無難です。

飲酒運転による交通事故は、道路交通法違反として重く扱われます。交通事故の被害者としては相手の過失や危険行為を明確に主張することも重要です。

POINT

必要に応じて、弁護士に慰謝料請求や示談交渉を依頼することも検討しましょう。

関連記事:『自転車の飲酒運転で捕まった人はどうなる?実際の3つの事例を交えて解説

5.飲酒した状態で自転車を押すのは問題ない?

ここまで自転車の飲酒運転についてお話してきましたが、万が一飲酒後に自転車で移動をしなければならない状況に直面した場合はどうすればいいのでしょうか。

選択肢の1つとして手押しで自転車を運ぶという選択肢があります。

「自転車に乗る」という定義は、自転車を操作しながら走行することを指します。

そのため、自転車を押して歩いている状態は「歩行者」として扱われるため、飲酒運転の適用範囲外と解釈されます。

とはいえ、お酒に酔った状態で歩くこと自体がふらつきや転倒の危険を伴います。手押しであっても、周囲の車両や歩行者に十分注意することが重要です。

本来は、タクシーや公共交通機関の利用が安全ですが、どうしても自転車で移動しなければならない場合は、決して自転車に乗らずに、手押しで運ぶことを徹底しましょう。

6.自転車の飲酒運転で運転免許が停止になることもある?

自転車で飲酒運転をした場合、自動車の免許資格が停止される可能性があることはご存じでしょうか。

自転車は運転免許がないので、自動車免許には影響がないと思われがちですが、免許資格が停止されることもあります。

その根拠として、道路交通法103条第1項8号に下記の記載があります。

免許を受けた者が(中略)当該各号のいずれかに該当することとなつた時におけるその者の住所地を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、その者の免許を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて免許の効力を停止することができる。

  (前略)免許を受けた者が自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるとき。

引用元:道路交通法 第103条(免許の取消し、停止等)|e-Gov法令検索

この道路交通法により、自転車の飲酒運転によって重大な事故を起こした場合には、自動車運転免許の停止処分が下る可能性があることが示されています。

飲酒運転は、罰則だけでなく、怪我や事故などの重大な危険を伴います。

「自転車だから飲酒運転してもいいか」というような軽率な行動は、自動車の飲酒運転リスクも高いとみなされやすく、運転免許まで停止される可能性があるのです。

実際に自転車の酒気帯び運転によって、運転免許が停止になった事例を以下に紹介します。

6-1【2025年12月19日】自転車の酒気帯び運転違反で車の免許停止

徳島県警は自転車で酒気帯び運転をした県内の男子大学生に対し、自動車の運転免許を6ヶ月以内の停止とする行政処分を行いました。(県内初)

男子大学生は2025年7月中旬に酒気帯び運転を行い、「自転車で危険な運転をしている」と110番があったことから違反が発覚しました。

現場で警察官が大学生の呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されたため、徳島県の公安委員会は「大学生の自転車運転が、車の運転にも危険を生じさせるおそれがある」と判断して、免許停止処分を適用しました。

参考:「自転車で危険な運転」と110番、男子大学生から基準値超えるアルコール分 自動車の運転免許を停止|読売新聞オンライン

6-2【2025年10月6日】自転車の酒酔い運転違反で車の運転免許停止処分

群馬県警は酒に酔った状態で自転車を運転したとして、群馬県内の男性2人に対し、運転免許の停止処分を行いました。(県内初)

警察によると、1人は今年3月下旬に、酒に酔った状態で自転車に乗り、止まっていた乗用車に衝突する事故を起こしたということです。

もう1人は、今年8月上旬に、酒に酔った状態で自転車に乗っていたところを、巡回中の警察官に職務質問されて飲酒運転が発覚しました。

参考:自転車の「酒酔い運転者」に県内初の免許停止処分40代男性2人を処分|TBS NEWS DIG

全国的に自転車の飲酒運転の取り締まりが強化されており、すでに2025年1月〜9月における「自転車の飲酒運転で車の運転免許の停止処分を受けた人」は、全国で896人(暫定値)にのぼり、前年度の2人から大幅に急増しています。

都道府県別では、大阪340人、東京124人、和歌山73人と続き、免許停止者が1人もいない都道府県は22県でした。

自転車の飲酒運転は赤切符の対象であり、免許停止処分だけでなく、拘禁刑や罰金が科されます。

同乗者や酒を提供した人も摘発の対象となるため、本格的な忘年会シーズンを迎え、警察は取り締まりを強化する方針です。

自転車においても「飲んだら乗らない」を徹底して、交通ルールを正しく守りましょう。

参考:飲酒「自転車」で「車」免許停止処分が急増、今年すでに900人、忘年会シーズンに取り締まり強化|読売新聞オンライン

POINT

このような事例を見ても「バレなければ…」と考える方は多いと思います。酔った時点で判断力は鈍っているので、飲む前に「乗らない意識」を強く持つことが大切です。

7.自転車の飲酒運転に関するQ&A

ここまで、自転車の飲酒運転の罰則内容や、事故時の対応について見てきましたが、「初犯の場合はどうなる?」「免許停止の基準は?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

そこで本章では、自転車の飲酒運転に関するよくある疑問について、Q&A形式で解説します。

自転車で酒気帯び運転をすると赤切符になる?

結論として、自転車の酒気帯び運転や酒酔い運転は「赤切符(刑事事件)」の対象です。

違反内容によっては、免許停止や免許取り消しの行政処分も適用され、指定された期日に警察署へ出頭して取り調べを受け、その後、裁判所で略式裁判(即日処理)を経て、罰金を納付する流れになります。

裁判と言っても、テレビで見るような裁判ではなく、簡単な手続きで終わります。なお、刑事事件における裁判は前科がつきます。

スマホなどを見ながら運転する「ながら運転」も、繰り返し違反した場合や事故の程度によっては、赤切符の対象です。

以下の関連記事では、自転車や自動車のながらスマホの罰則について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

関連記事:『ながらスマホの罰則・罰金は?違反点数や厳罰化の背景・自転車の罰則内容も解説

自転車の飲酒運転で検挙されたら免許はどうなる?

自転車の飲酒運転で検挙された場合、前提として「違反点数」は付きません。

自転車の運転自体は、免許制度の範囲外であり、点数制度が適用されないためです。

ただし、「車の免許に何の影響もない」という意味ではありません。

道路交通法第103条に基づき、公安委員会は自動車運転免許の取消しや最大6ヶ月の免許停止を命じることができます。

POINT

処分内容は事故の重大さや違反歴、運転者の酔いの程度で異なります。

参考:道路交通法第103条(免許の取り消し、停止等)|e-Gov法令検索

初犯の場合、罰則はどれくらい?免許停止になる?

法律上の上限は、酒気帯び運転が「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」、酒酔い運転が「5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」であり、非常に重い罰則が科されます。

実際のところ、事故や怪我のない酒気帯び運転の初犯であれば赤切符が交付されたのち、多くのケースで略式手続による罰金刑に留まるとされています。

ただし、前科がつく点は、自動車と同じです。

また、初犯かどうかにかかわらず、「人身事故が発生した」「著しく危険な走行を行った」「高いアルコール濃度が検出された」などの場合は、免許停止が適用される可能性が高いでしょう。

POINT

「初犯だから大丈夫」と考えるのは禁物です。「飲んだら乗らない」を徹底しましょう。

関連記事:『酒気帯び運転(飲酒運転)とは|基準となる数値や罰則内容をわかりやすく解説

自転車の飲酒運転はどこからが違反?

酒気帯び運転の基準値は「血中アルコール濃度が0.3mg/l以上または呼気中アルコール濃度が0.15mg/l以上」であり、酒酔い運転は数値ではなく、運転者の酩酊度合いによって判断されます。

POINT

アルコール濃度が0.15mg/l未満でも、「会話がしどろもどろ」「まっすぐ歩けない」などの場合は、酒酔い運転と判断されます。

アルコールの分解能力は個人差があり、「ビール1缶だけならセーフ」などの目安はありません。

基準値未満でも、酔いの程度次第では酒酔い運転として、より重い罰則の対象となります。

自転車が車両であることを自覚し、少しでもお酒を飲んだら自転車に乗らないようにしましょう。

関連記事:『飲酒後に運転できるのは6時間後?8時間後?飲酒運転をしないために

自転車を貸した人やお酒の提供者も罰則の対象になる?

お酒を飲んでいる事実を知りながら、自転車を貸した人に対しては、「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科されます。(運転者が酒気帯び運転の場合)

また、運転者が自転車を運転することを知りながら、お酒を提供した飲食店や、飲酒をすすめた人に対しては、「2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」が科されます。

自転車の飲酒運転は、運転者本人だけでなく、乗らない人も守るべき交通ルールです。

また、運転者本人は、万が一飲酒運転を行った場合、周りの人を巻きこむリスクがあることを自覚しましょう。

関連記事:『飲酒運転において飲食店(居酒屋)の責任はどこまで?お客様が飲酒運転した場合の罰則と防止策

8.まとめ|自転車の飲酒運転の罰則は自動車と同様に「重い」

本記事では「自転車の飲酒運転」の罰則や、事故を起こした場合の過失割合、免許停止処分になった事例を紹介しました。

自転車は免許が必要ないため、「飲酒運転をしても捕まらない」と考えている方も少なくありません。

しかし、自転車であっても飲酒運転で事故を起こしてしまうと大きな過失や場合によっては運転免許の停止といった処分が科されることもあり、さらには事故の加害者になることもあります。

2026年4月1日以降は、比較的軽微な違反に対しても青切符が交付されるため、反則金の納付が求められます。

交通ルールを正しく守り、「お酒を飲んだら乗るな」を徹底し、安全運転を心がけましょう。

株式会社パイ・アール ロゴ

この記事の執筆者

株式会社パイ・アールPAI-R Co., Ltd.

安心・安全な交通社会の実現へ向けてさまざまな課題や解決を探求している 株式会社パイ・アール は、アルコールチェックをはじめドライバーの安全管理や業務管理にまつわるさまざまなお役立ち情報を発信しています。

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