未成年飲酒をしたら・させたら「どうなる」?罰則や一緒にいた大人の責任・飲酒運転のリスク
未成年の飲酒は法律で禁止されていますが、「本人は罰せられない」「成人が18歳に引き下げられたから飲酒しても大丈夫」と認識している方も少なくありません。
しかし実際には、未成年本人の将来に影響する「指導」や「補導」に加え、お酒を飲ませた周囲の大人や、お酒を提供した飲食店にも罰則が科される可能性があります。
そこで本記事では、
- 未成年飲酒をした本人の罰則内容は?
- 一緒にいた大人やお酒を提供した飲食店への罰則はどうなる?
- お酒と知らずに飲んでしまった場合、どう対処すればいい?
- 未成年飲酒による危険な事故やトラブル事例はある?
など、未成年飲酒に関する疑問について、過去に起きた危険な事故や飲酒運転の事例も交えながら、分かりやすく解説します。
未成年飲酒に関わる法律を正しく理解して、周囲の大人が負うべき責任や飲酒運転のリスクについて考えていきましょう。
目次 / この記事でわかること
1. 未成年飲酒(20歳未満)を禁じる法律と「本人への罰則」とは?

成長期における未成年の飲酒は、脳や肝臓への悪影響、急性アルコール中毒などの健康リスクが高く、未成年の健康を守るために「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」で固く禁じられています。
万が一、未成年が飲酒した場合、本人へどのような罰則が科されるのでしょうか?
まずは法律の概要と、飲酒をした未成年者に対して、どのような法的措置が取られるのかを確認しましょう。
参考:未成年者飲酒防止における法律の昔、今、そしてこれから|公益社団法人アルコール健康医学協会 [PDF]
1-1 【概要】「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」
「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」は、大正時代に制定された「未成年者飲酒禁止法」が前身となっており、現在は名称を変更して運用されています。
第1条では、4つの項目が制定されています。
【20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律 第1条】
1項:満20歳未満の者の飲酒を禁止する
2項:未成年者の親権者や監督代行者は、未成年の飲酒を知った場合は制止すること
3項:営業者で酒類を販売又は提供する者は、20歳未満の者が飲酒することを知りながら酒類を販売又は提供することを禁止する
4項:営業者で酒類を販売又は提供する者は、20歳未満の者の飲酒を防止するために、年齢確認、その他必要な措置をとること
引用元:20歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止二関スル法律|e-Gov法令検索
条文では、20歳未満の者の飲酒を禁止するほか、親権者や監督代行者、酒類を販売、提供する営業者に対して、飲酒を制止したり、年齢確認を行ったりする義務を課しています。
この法律は、未成年者の脳や体が発育段階にあり、アルコールによる悪影響を大人以上に受けやすいという医学的背景に基づいた極めて重要な規制です。
世界各国でも若者の飲酒を禁止する法律が制定されており、未成年者にもたらすアルコールの悪影響が懸念されていることが分かります。
1-2 未成年で飲酒した「本人」には罰則がない?
「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」では、未成年者本人に対する拘禁刑や罰金などの罰則は規定されていません。
この法律の趣旨は「未成年者をアルコールの害から守ること」にあるため、本人は罰則の対象ではなく、「保護されるべき対象」として扱われます。
そのため、未成年者の飲酒が発覚した場合、飲酒を止めなかった周りの大人が罰則の対象です。
ただし、飲酒をしてしまった未成年者が学生の場合、校則により戒告・出席停止・単位剥奪・退学などの処分が下される可能性があります。
なお、飲酒が絡んだ暴力行為や飲酒運転などを行った場合は、成人と同様に罰則や行政処分が科される可能性があります。
特に飲酒運転は重大な交通違反であり、自分や周りの人の安全を脅かす行為です。場合によっては、保護者に刑事罰が科されるなど、被害者への莫大な補償が発生します。
未成年飲酒は周囲の人の生活や将来にも悪影響を及ぼすことを理解しましょう。
1-3 未成年飲酒が警察に見つかった場合どうなる?
万が一、未成年者が飲酒を行った場合、警察はその場で逮捕するのではなく、「補導」という形で身元や状況を確認します。
その後、保護者や学校へ連絡し、状況に応じて児童相談所や家庭裁判所へ通告を行うことが一般的です。
厳重注意に留まるケースもありますが、常習的な飲酒行為や深夜徘徊、不良行為と結びついている場合には、少年法に基づき家庭裁判所に通告が行き、保護観察や少年院送致などの処分が下される可能性があります。
警察による補導は行政指導であり、罰則とは異なります。前科はつかないものの、保護者や学校への連絡、その後の指導につながります。
「罰則はないから大丈夫」と軽く考えると、学校の対応によっては、進学や就職に影響を及ぼす可能性があることを覚えておきましょう。
2.【要注意】未成年に飲ませた「大人・飲食店」への罰則

未成年にお酒を飲ませた大人や、年齢確認を怠った飲食店や販売店には、罰金や拘禁刑などの罰則が定められています。
また、泥酔した未成年者を放置したり、急性アルコール中毒にさせたりした場合、状況に応じて保護責任者遺棄罪や傷害罪が適用される可能性があります。
ここでは、該当する法律や罰則内容について見ていきましょう。
| 対象者 | 適用される可能性がある法律 | 義務・禁止行為 | 適用される罰則 |
|---|---|---|---|
| 親権者・監督代行者 | 20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律(第3条) | 未成年の飲酒を知ったときは制止する義務 | 科料(1,000円以上1万円未満の金銭の納付を命じられる) |
| 酒類販売店・飲食店などの営業者 | 未成年と知りながら酒類を販売・提供してはならない | 50万円以下の罰金 | |
| 居酒屋など風俗営業許可を受けている店舗の責任者 | 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(第22条、第50条) | 営業所で二十歳未満の者に酒類又はたばこを提供してはならない | 1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金 |
| 酔い潰れた未成年を放置した大人 | 刑法上の保護責任者遺棄罪(第218条) | 危険な状態の未成年を放置せず、適切に保護・救急要請する義務 | 3ヶ月以上5年以下の拘禁刑 |
| 未成年飲酒を煽った者 | 刑法上の現場助勢罪(第206条) | 傷害罪と認められる現場において、勢いを助けてはならない | 1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金もしくは科料 |
| 未成年を泥酔させたり急性アルコール中毒にさせた者 | 刑法上の傷害罪(第204条) | 身体的または精神的な傷害を与えてはならない | 15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
参考:
・二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止二関スル法律|e-Gov 法令検索
・刑法|e-Gov 法令検索
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律|e-Gov 法令検索
酒類を扱う事業者においては、「酒類販売管理者」の設置が義務付けられており、違反すると罰金だけでなく、酒類販売業免許が取り消されるリスクがあります。
過去には、居酒屋で中高生にアルコールを提供した社員と運営会社が、風営法違反容疑で書類送検されています。
企業においては、飲み会で未成年の社員に飲酒を強要すれば、コンプライアンス違反として会社の社会的信用にも大きなダメージとなりかねません。
以下の関連記事では、会社の飲み会における未成年飲酒の容認や強要、そのほかのアルハラ行為について、法的リスクや予防策を解説しています。あわせて参考にしてください。
関連記事:『アルハラとは?企業が負う法的リスクや事例・ハラスメントの境界線を解説』
参考:
・20歳未満の者の飲酒防止の推進|国税庁
・居酒屋で中高生5人にビールなど30杯提供…運営会社と社員2人を書類送検|読売新聞オンライン
3. もし未成年がお酒を「飲んでしまった」ら?取るべき対応

本人が「未成年飲酒はいけないことだ」と理解している場合でも、周りからの誘いに流されて、飲酒してしまうケースも現実には起こり得ます。
未成年飲酒の事実を知らされたとき、周囲の大人が優先したいことは、叱責よりも命と健康を守ることです。
その上で、「なぜ未成年飲酒がいけないのか」を冷静に伝え、二度と繰り返さないための仕組みを作る必要があります。
ここでは、未成年飲酒を知らされたり、目撃した場合の対処法や、指導のポイント、絶対に避けるべき飲酒運転の危険性について整理します。
3-1 【安全への考慮】急性アルコール中毒を警戒する
アルコールは、肝障害や高血圧など、200以上の疾患と関連があると言われていますが、その中でも未成年の飲酒と関連の深い疾患として、急性アルコール中毒が挙げられます。
急性アルコール中毒は、短時間でアルコールを大量摂取した際に生じる中毒症状のことです。
体内のアルコール血中濃度が急上昇し、脳の機能が低下したり、麻痺したりすると、以下のような症状が現れます。
| 軽〜中等症 | 激しい嘔吐、歩行障害、ふらつき、意識レベルの低下、うたた寝、尿失禁、便失禁など |
|---|---|
| 重症 | 呼びかけや物理的刺激(つねるなど)に反応しない、血圧低下、体温低下、呼吸数減少、嘔吐物による窒息、呼吸停止など |
一般的に、未成年は自分の限界が分からないこと、アルコールに対して耐性が低いことなどから、急性アルコール中毒のリスクが高まりやすいとされています。
大学生や新社会人の新人歓迎会などで、未成年が一気飲みを強要され、急性アルコール中毒で亡くなった事例もあるため、特に注意が必要です。
もし飲酒をした未成年に「意識がない」「体が冷えきっている」「呼吸がおかしい」「口から食べ物や血を吐いている」「泡を吹いている」といった症状が見られる場合は、ただちに119番に通報して救急車を呼んでください。
参考:
・急性アルコール中毒の怖さを知っていますか?イッキ飲みや無理強いは命にかかわることも!|政府広報オンライン
・なぜいけないのか、未成年者の飲酒|公益社団法人 東京都医師会 [PDF]
3-2 周囲の大人がすべき適切な指導を行う
未成年飲酒の事実を把握したら、本人に対して「なぜ未成年の飲酒が禁止されているのか」を丁寧に伝えることが大切です。
体への影響や成長期の脳へのダメージ、アルコール依存症のリスク、警察による補導や、学校・職場への連絡など、現実的に起こり得る事態を具体的に説明しましょう。
一緒にいた友人や先輩、職場の上司から勧められたという場合、周囲に流されない意志を持つことの重要性や、上手な断り方を教える必要があります。
家族や職場が「未成年飲酒を絶対に許容しない」という断固たる姿勢を示すことが、再発防止の第一歩となります。
3-3 飲酒運転の絶対禁止
当然のことですが、飲酒運転は絶対に行ってはいけない行為です。
「少ししか飲んでいない」「眠ったからもう醒めたはず」といった自己判断で、車やバイク、自転車や電動キックボードを運転してはいけません。
道路交通法では、酒酔い運転に対して「5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」、酒気帯び運転に対しては「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が定められています。
未成年でも、飲酒運転をすれば刑法や少年法に基づき、罰則や保護観察、少年院送致といった重い処分が下される可能性があります。
もし飲酒した形跡があるなら、車両の鍵を取り上げるなど、大人が責任を持って「絶対に運転させない環境」を作ることが重要です。
関連記事:
『自転車で飲酒運転した場合の罰則は?免許停止や事故を起こした場合の対処について』
『飲酒した状態で電動キックボードに乗るのは交通違反|罰則や事故の事例を紹介』
4.【悲劇】未成年による「飲酒運転」の事故事例

「少しだけなら」「自宅まで近いから」といった甘い考えでハンドルを握り、重大事故につながった若者のケースはあとを絶ちません。
ここでは、未成年の飲酒運転が実際にどのような結果を招いたのか、3つの事例を紹介します。
具体的な事案を見ることで、飲酒運転がどれほど取り返しのつかない行為かを、あらためて理解しましょう。
4-1 事例1:当時18歳の少年による飲酒運転で対向車の運転手が亡くなる
2024年9月、埼玉県川口市で、当時18歳の少年が友人とカラオケ店で焼酎などを飲んだあと、みずから車を運転し、一方通行の道路を時速約125キロで逆走して対向車と衝突、相手の運転手の男性が死亡する事故が起きました。
少年は危険運転致死と酒気帯び運転などの罪で起訴され、2025年9月に開かれた裁判員裁判では危険運転致死罪が認められ、懲役9年の判決が言い渡されています。
そして、2026年2月25日に東京高裁で控訴審が開かれ、2026年3月24日に判決が言い渡される予定となっており、社会的な注目を集めています。
遺族は「夫にまったく非はない」として厳罰を望んでおり、たった一度の飲酒運転がたくさんの人の人生に影響を与えました。
4-2 事例2:高校生が飲酒運転で逮捕
2025年12月の明け方、三重県桑名市で、男子高校生がコンビニの駐車場で飲酒後、無免許のまま軽自動車を運転し、酒気帯び運転と無免許運転の疑いで逮捕されました。
コンビニの駐車場で少年を目撃した人から、早い段階で警察に通報があったため、大きな事故には至りませんでしたが、通報後、警察の追跡から逃走した男子高校生は、ガードパイプに衝突する事故を起こしています。
もしそのまま走り続けていれば、歩行者や、ほかの車を巻き込んだ重大事故になっていてもおかしくありません。
未成年の飲酒運転は、さまざまな危険要素を併せ持つことが多い点にも要注意です。
4-3 事例3:「青信号でも進まない」急発進で19歳による飲酒運転事故
2026年2月、高知県吾川郡で「青信号になっても進まない車がある」との通報を受けて警察官が現場に駆け付けました。国道33号上で停止していた軽乗用車の19歳の運転手に声をかけた瞬間、車が急発進し、約100メートル先で対向車線にはみ出して正面衝突する事故が発生しました。
けが人はいませんでしたが、少年の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出され、その場で酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕されています。
「酒を飲んで車を運転したことに間違いない」と容疑を認めており、一歩間違えば人命を奪いかねない危険な行為であったことがうかがえます。
5.【FAQ】未成年の飲酒に関するよくある質問

ここでは、未成年飲酒に関してよくある質問について、Q&A形式で整理します。
コンビニや飲食店での年齢確認、ノンアルコール飲料の扱い、「19歳は飲酒できるのか」など、迷いやすいポイントについて解説します。
飲食店関係者や企業の責任者の方は、参考にしてみてください。
コンビニで年齢確認をされずにお酒が買えた場合は店側の責任?
「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」の第1条4項では、販売や提供を行う営業者に対して「年齢確認などの必要な措置を講じること」が義務付けられているため、確認を怠って未成年者に酒類を販売した場合は、店側に罰金が科せられる可能性があります。
ただし、未成年側が年齢を偽るために「偽造された身分証」を提示するなど、店側が最善を尽くしても見抜けなかった場合は、情状酌量される可能性もあります。
未成年による飲酒のリスクを避けるために、身分証明証による年齢確認を適切に実施し、タブレット端末などのデジタル機器を活用した注文システムを取り入れるなどの対策を行いましょう。
ノンアルコールビールなら未成年が飲んでも法律違反じゃない?
アルコール度数0.00%のノンアルコールビールやカクテルは、酒税法上の「酒類」には該当しないため、法律上は未成年が飲んでも法律違反に該当しません。
しかし、多くのメーカーは「20歳以上の飲用を想定している」と明記しており、未成年の飲用は推奨していません。
また、「ノンアル」と表示されていても微量のアルコール(0.5%未満など)を含む商品もあるため、表示をよく確認することが大切です。
お酒への心理的なハードルを下げてしまう点も含め、家庭や未成年者を雇用する企業としては慎重な運用が望まれます。
19歳なら20歳目前だからバレても大丈夫?
「あと少しで20歳だから」という理由で未成年飲酒が許されることはありません。
法律上は「20歳未満」で一律に飲酒が禁止されており、19歳11カ月でも、18歳でも、法的な扱いは同じです。
また、日本では民法上の成人年齢が18歳に引き下げられたため、18、19歳は契約や借入など多くの面で「自己責任」が重くなっています。
その年齢で飲酒運転や暴力行為などを行えば、少年法に基づき、家庭裁判所で保護処分が選択される可能性があるほか、成人と同様に、事案に応じて罰則が科される可能性もあります。
6. まとめ|未成年飲酒は本人だけの問題ではなく周りの大人にも責任あり
この記事では、未成年飲酒を行った本人に対する罰則や、未成年に飲酒をさせた大人や飲食店への罰則、未成年飲酒の対処法、飲酒運転の過去事例について解説しました。
未成年飲酒の罰則は、未成年者の保護の観点から、本人よりも一緒にいた大人や、お酒を提供した飲食店に科されるのが特徴です。ただし、未成年者本人にも補導や保護処分といった形で、将来に影響する対応がとられます。
飲酒運転にまで発展すれば、加害者本人だけでなく、被害者やその家族の人生を一瞬で奪いかねません。
家庭や学校、会社の飲み会やサークル活動では、「20歳未満には絶対に飲ませない」「未成年飲酒や飲酒運転の危険性を周知する」など、周囲の大人が責任ある行動をとることが大切です。
未成年の方は絶対に飲まないこと、周囲の大人は飲ませないことを徹底してください。
なお、この記事の内容は、一般的な法情報に基づくものであり、具体的な事故やトラブルに関しては、弁護士など専門家に相談することをおすすめします。


